黒執事 Tango on the Campania (2017年)

上演年・場所 2017-18年・TBS赤坂ACTシアター他
舞台評価 B+
お薦めポイント 少年貴族と悪魔執事の濃密な関係
関連情報など BD/DVD発売中。
(写真は内川蓮生君)


ミュージカル黒執事のレビューも4作目。シエル役は福崎那由他君が2回、そして内川蓮生君が本作含めて2回を演じました。2人とも主役クラスとして舞台に立った、日本では数少ない少年俳優です。

それ以前の歴代シエル役の方々も魅力的だったとは思いますが、やや年長でした。最近では「ビリー・エリオット」など少年俳優が主役の舞台公演もありますので、これからもどんどん本当の少年たちの活躍を期待しています。

と言いながらこの黒執事。ほぼ毎年公演があったのですが、本作2017年を最後に2年間空白が続いています。次のシエル役を楽しみにしているのに...是非とも2020年は再開して欲しいものです。

蘇った死人達に襲われるシエルとセバスチャン。
(前作は生足を披露してくれましたが本作はタイツ。別に期待してた訳じゃありませんが...)

ファントムハイヴ伯爵家を継いだ少年シエル(内川蓮生)と悪魔の執事セバスチャンは(古川雄大)は、密かに英国女王陛下の密命を受けて難解な事件の捜査にあたっている。今回の捜査対象は、あるアンチエージング(老化防止)治療を進める団体に不穏な噂が立っていた。死者が蘇っていると。

その団体が主宰する学会が豪華客客船カンパニア号で開催され、シエルとセバスチャンが乗り組んだ。船にはシエルの婚約者一家も同船。学会代表者の医師を問い詰めたが、どうやら本当の黒幕は元死神の葬儀屋らしい。

その時カンパニア号は氷山と衝突。沈みゆく中でセバスチャンと死神たちのバトルが始まった。不覚にもセバスチャンは重症を負うが、死者を蘇生してゾンビ化する装置の破壊に成功。なんとか避難していく..

 今回は身内話でした。

私が見たミュージカル黒執事ではマダムレッド、サーカス団などの悪役が登場。最終的にはシエルとセバスチャンによって殺されるのですが、悪役なりの悲しい事情があって涙を誘っていたのです。つまり悪役の存在感が非常に大きかった訳です。

で本作の悪役は和泉宗兵さん演じる葬儀屋。このキャラは毎回登場する刑事コンビのアバハン、ドルイット子爵、死神などと同じ常連さん。いわば黒執事ファミリー。ゲゲゲの鬼太郎でいえば子泣き爺、砂かけ婆あたりでしょうか。

そういう意味で少し緊張感に欠けるのは確か。でもその分、シエルとセバスチャンの濃密な関係が舞台で目立ちました。シエル役の内川蓮生君は中1。前作よりアルトになった声が本当に色っぽいのです。(本末転倒ですが、12,3歳の少年の声を担当する女性の声優そっくりの感じ)

一方、気になっていたのがシエルの婚約者エリザベス。演じたのはアイドルの岡崎百々子さん。やや舌っ足らずの喋り方が可愛い。でも思ったより出番は少なく印象はやや薄い感じでした。彼女が実は裏ボスで、最後は婚約者のシエルが涙ながらに彼女を殺す...そんな脚本なら面白かったかも。

冒頭シーン。カンパニア号に乗船するシエル。
(毎回恒例?の悪魔との契約シーンは無い)
セバスチャンから情報を耳打ちされる。
学会参加には、秘密のポーズをしないといけない。


船には蘇った死人ゾンビがいた。
シエルは拳銃で応戦。子供なのに...
いきなりゾンビと一緒にダンス。ミュージカルですなあ..
(内川君もしっかりダンスしています)


執事セバスチャン負傷。彼の回想シーンが始まった。
ここにシエルとの出会いと契約シーンを持ってきた
(カゴの中のシエルは内川君の影武者)
セバスチャンのサポートで伯爵位を継いだシエル
(王子様っぽいのが似合いますなあ..)


倒れたセバスチャンに覆いかぶさるシエル。悪魔でも死ぬのだろうか..
この後、ムックリ起き上がるセバスチャン。私は不死身です...

大千穐楽のカーテンコール。内川君は既に涙。
(さすがに挨拶では泣かずにしっかりと)
何回もカーテンコール。そして最後の最後は..
古川さんにお姫様抱っこされて退場。


特典DVDのメイキング映像から
(舞台では見れない満面の笑顔が可愛い)
特典DVDのメイキング映像から
(共演のお兄さんに可愛がられています)



※後記
前作で少女ドール役を演じた設楽銀河君。本作キャスト発表後、僕もリジー(エリザベス)やりたかったな。とツイッターで呟いていました。ちょっと声が厳しくなっていたけれど、設楽君のエリザベス役が見たかった。




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