眠らない夢 (1996年)

時期・媒体 1996年3月・写真集
評価
お薦めポイント 黒田勇樹君。耽美的。13歳には見えませんけれど。
関連情報など 書籍は絶版。古本はAmazon等で多数出品。
写真は、黒田勇樹君


作者はやはり安珠さん。1990年「サーカスの少年」、1993年「星をめぐる少年」に続いて発表された作品。この2冊は写真小説という形式でしたが、本作品は写真集です。

モデルはまた黒田勇樹君。1982年4月生まれですので、写真は13歳までのもの。しかし大半の写真はとても13歳には見えません。まるで人生に疲れた娼婦(男娼)のような表情。安珠さんの作風でしょうけれど。

黒田勇樹君と安珠さんの関係は4歳の時から。安珠さんは母の友人。まだ駅の券売機に手の届かない頃から一人で電車に乗って安珠さんのアトリエへ遊びに来たそうです。そして13歳まで9年にわたって撮り続けたとの事。写真小説ではありませんが、短い詩や散文のような文章が印象に残ります。

もう少し幼い頃の写真を収録していてくれば、なお良かったのですが...


くすぐられて声も出ないほど笑い、迷子になれば
大声で泣く...(安珠さんの文章から)
少し成長した頃。11,12歳くらいでしょうか。
(左の写真と違って、もう泣いたりしない...)


廃墟のような場所で、何を叫んでいるのか...
(セーラー服っぽい衣装。ズボンはもう少し短い方が)
水(温泉)の中で。唇の赤さが色っぽくて...
(カラー写真は数枚ほど)


水の中に浮かぶ少年。上右と同じ場所です。(全裸ではありません。白い長ズボンをはいています)

もう13歳頃でしょうか。
(挑発的な眼差し)
目を閉じて。何を想うのか。
(大人びていますが、一番好きな表情)



※後記
安珠さんの独特な世界は大好きです。本作品は絶版ですが、今なら古本が豊富に出回っていますので、是非ともお買い求め下さい。本当にいい本ですよ。プレミア価格になってしまう前に。

以前、神木隆之介君の写真集も買いました。写真は沢山あって美しい。でもストーリーや哲学がありません。カメラマンが適当にその辺でパチパチ撮って終り。商業写真なんてそんなもの。買う方も、モデルが美しく色っぽければ十分。余計な詩や文章なんて邪魔。それは寂しいことです。





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