名探偵明智小五郎 地獄の道化師 (1994年)

初回放送・製作 1994年12月9日・フジテレビ系列
作品評価 B-
お薦めポイント 小林少年のたどだどしいセリフ。しかし活躍。
関連情報など 「金曜エンターテイメント」枠で放送。未メディア化。
(写真は黒田勇樹君)


何回も映画やドラマになった明智小五郎。2021年にはNHKでなんと女性(満島ひかりさん)が演じました。私は江戸川乱歩ファン。中学生の時から春陽文庫の江戸川乱歩全集30冊をお小遣いで購入。どれも2回、3回と繰り返して読みました。(お小遣いも少ないので、買った本は大切にしていました)

その反面、ポプラ社の少年探偵団シリーズなんかは幼稚に思えて全く見向きもせず。テレビの実写やアニメも殆ど見ていません。本作も放送当時は見ませんでしたが、スカパーで放送されたものを改めて鑑賞。小林少年を黒田勇樹君が演じているのが印象に残りました。

怪しい道化師の後を追って隠れ家を見つけた小林少年
(黒田勇樹君。横顔の方が美少年です)

昭和9年頃の東京。車が事故。積んでいた石膏像が落下。中から女性の死体。被害者の妹が明智小五郎に真相解明を依頼した。妹の周囲では不気味な道化師(ピエロ)の格好をした男が現れる。死んだ姉にのピエロの人形が送り付けられていた。警察は容疑者として美術家の男を逮捕するがアリバイがあった。

明智と小林少年(黒田勇樹)が道化師の謎を追う。そして隠れ家を突き止めた。そこに道化師はおらず、硫酸で顔を焼かれた女性がいた。事件は迷宮入りかと思われたが、明智は真相を解明した。それは...


ドラマ冒頭。乞食のような少年が必死で逃げる。しかし怪人二十面相に捕まった。殺される寸前に救ったのは明智小五郎。立ち去ろうとする明智に少年は僕は帰る家が無いんです! 明智は少年を家に連れて帰った。これが明智と小林少年の出会い。(ミュージカル黒執事の冒頭はこれを真似たのかも)

明智には美人で聡明な妻もいるのに、こんな12歳の少年を連れて帰るとは。当時の金持ち宅には住み込みのお手伝い少女や丁稚小僧は普通にいたのかもしれませんけれど。

推理小説(当時なら探偵小説)なので犯人など内容には言及しないようにします。道化師(ピエロ)は江戸川乱歩の小説には常連。最近の米ホラー映画でもペニーワイズなどピエロが活躍?しているのが面白いところ。

黒田勇樹君。平成の美少年と言われてテレビや雑誌グラビアにも登場。本作は12歳ですがかなりの高身長。でも声変りはまだで少年らしい声。ドラマのナレーションも務めました。ただ滑舌がもう一つなのが残念。でも女装したり、棺桶に閉じ込められたり、美少年を虐めたい視聴者のニーズ(私だけ?)もしっかり。

本作以降、吸血カマキリ(95年)、暗黒星(96年)、吸血鬼(99年)と続作があり、黒田勇樹君が小林少年を演じますが、成長して少年らしさが失われてしまったのでしょうか、出番は少なめです。本作だけで十分かな。

ドラマ冒頭。二十面相から逃げる...
乞食のような小林少年
僕は帰る家が無いんです...
明智は連れて帰るしかなかった
ちゃっかり明智先生の助手に
(つまり拾ってきた子ですか...)


小林少年はひとりで捜査開始
(明智先生の鼻をあかしてやろう)
道化師の隠れ家を発見。
部屋にあった棺桶に隠れたが...
見つかって閉じ込められた。
(太腿が色っぽいですなぁ...)


隠れ家は火事で大ピンチ!
その時、明智先生がやってきた
今度は女装して道化師を尾行
(♪ああ、とう〜きょうの花売娘)
事件は一件落着。その時電話が。
先生また事件です!
(嬉しそうな表情...)



※後記
上にも書きましたが江戸川乱歩の小説は決して子供向けではありません。エロス、耽美、退廃、怪奇、奇形児、見世物、同性愛...こんな世界に中学高校で親しんでしまった私。乱歩全集30冊は最後まで持っていましたが、転勤で大阪を去る時に処分してしまいました。また買おうかな...kindleでもいいかな。





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