銀河鉄道の夜 (2007年)

発売年・種類 2007年・DVD
作品評価 B-
お薦めポイント 美しいCGに圧倒。でも登場人物一切なし
関連情報など DVD発売中。
(写真はタイトルと宮沢賢治氏)


今回ご紹介するのは、あの宮沢賢治氏の名作「銀河鉄道の夜」。と言っても残念ながら映画ではありません。全国のプラネタリウムで上映されているCG作品です。これがDVDとして販売されており、結構よく出来ているのです。

今さら書くまでもありません、もう国民的童話といってもいいでしょう。漁に出たまま帰らない父を待つ少年ジョバンニは、祭りの夜、一人で丘の上にいると、突然光の柱が。気がつくと銀河鉄道に乗っていて、そこには、大好きな友人のカムパネルラが。二人だけで汽車に乗って銀河の世界を旅するなんて夢のよう。しかし二人の前に次々と乗客が現れます。そして旅の終わり。カムパネルラはいなくなりました。


 人物を捨てた美しい映像

本当に大好きな銀河鉄道ですが、主人公の二人の少年、ジョバンニとカムパネルラは映像としては出てきません。というよりも人間は全く出てこないのです。その代わり、宇宙や銀河の風景を「賢治の世界」として描く映像が素晴らしい。

実際に少年や人間をCGとして描くのは大変ですし、イメージも難しいので、ここは思い切って人間を切り捨ててしまったのでしょう(手を抜いたのかもしれませんが)。それでも、これまでのアニメや映画化のように、登場人物をネコにしたり、少女を使ったりされるよりはマシではと思います。

他に、宮沢賢治の世界を映像で一番よく表現してくれたのが、NHK教育テレビの「にほんごで遊ぼ」でした。幼児向け番組とは思えないほど質の高い番組で、以前はよく見ておりました。ただ残念な事に、銀河鉄道の夜では、カムパネルラを女の子が演じていました。この番組のレギュラー(当時)は男女それぞれ2人いるのですから、男の子同志で演じてくれたらいいのに。

本作品は、短いCG映像ですが「銀河鉄道の夜」の世界を堪能することが出来ました。出来ればジョバンニやカムパネルラを実際の少年俳優が演じてくれるような作品があれば素晴らしいのですが。

ふと気がつくとジョバンニは汽車の中に
白鳥座ステーションに到着


赤く燃えるサソリの火が見えます
あれが目指していたサウザンクロス





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