呪怨2 ビデオ版 (2000年)

公開年・種類 2000年製作・DVD作品
作品評価 B-
お薦めポイント 呪怨の被害者では珍しい中学生男子。
関連情報など BD/DVD発売中。CS放送の東映chで放送あり。
(写真は郭智博君。)


2003年の劇場版『呪怨』が大ヒットして数々の続編が作られたJホラーの名作。劇場版の3年前に東映からビデオ版(Vシネマ)の呪怨と呪怨2が発売。しかし当時は不人気で全くの失敗作。東映は手を引いたとの事です。私は2021年の夏にスカパーの東映chで放送されたものを初めて鑑賞。

呪怨(70分)と呪怨2(76分)ですが、約30分も内容が重複。呪怨の方が世間の評価は圧倒的に高いのですが、私は中学生の少年が登場する呪怨2だけで十分だと思っています。

伽椰子に取り憑かれた中学生の信之。父の実家に戻ったが...

小学校教師の小林は、不登校の俊雄(小山僚太)の家を訪問。そこで俊雄の母、伽椰子の死体を発見。その時、電話が! 小林の妻とお腹の中の子供が殺害された。同時に小林も伽椰子に襲われた。次のエピソードは不動産屋。惨劇のあった家を売るが、入居者は次々に変死。霊感を持つ不動産屋の妹がこの家を見るが手に負えない。

不動産屋が住むアパートは惨殺された小林一家の部屋だった。中学生の息子、信之(郭智博)に伽椰子の魔の手が伸びてくる。こうして伽椰子と接点を持ったというだけで、次々と人が死んでいく。

 呪怨の原点

原点は佐伯家。父(剛雄)、母(伽椰子)、息子(俊雄)の3人家族。父は母の不倫を疑って惨殺、息子も不倫相手の子だと疑って惨殺。不倫相手は母の同級生だった教師の小林だと思い込み、小林一家も惨殺。そして父自身は悪霊となった母に惨殺された。

全ては妄想にかられた父の剛雄が原因。しかし伽椰子が残した学生時代の日記には、小林に対する偏執狂のような言葉が書かれており、悪霊になる下地があった事は確か。可哀想なのは息子の俊雄君。とばっちりを受けて殺され、あの世でも成仏できずに伽椰子と一緒に悪霊になってしまった。

最初の事件が起きた家が呪いの巣窟。一歩でも足を踏み入れた人間は伽椰子に殺されてしまう。劇場版以降の呪怨はそんなパターンですが、本作ではまだ確立していない感じです。伽椰子は色んな場所に出張します。信之を襲うのは中学校の教室。1998年の『リング』の貞子の影響も受けている感じです。

中学生の少年が伽椰子のターゲット。(こう書くと不謹慎ですけど)残念ながら惨殺シーンはありません。演じた郭智博さん、その後はトレンディ俳優に。またチョイ役で市原隼人さんも登場しています。この後の呪怨シリーズでは少年がターゲットになる事は殆どないだけに貴重かもしれません。


教師が家を訪れると、不登校の俊雄がいた。
顔や身体は傷だらけ。家庭内暴力か。
俊雄は父に殺され、悪霊になっていた。
床から顔を覗かせる俊雄。これは怖い。


自宅アパートにいた信之に怪異が襲う。
(この部屋は教師一家が伽椰子に惨殺された事故物件)
不動産屋をしている父の妹(叔母)に救われた信之。
霊感を持つ叔母だが、伽椰子には太刀打ち出来ない。


中学校の教室で伽椰子に襲われた。
(断末魔の表情。でもこの後のシーンは無し。)
俊雄君がこのスタイルで登場。
(以降、白塗りがトレードマークに。)




※後記
呪怨で少年が惨殺されるシーンは殆ど無いと書きましたが、2016年の『貞子vs伽椰子』では、いじめっ子の糞ガキ連中が惨殺されました。いじめられていた少年は助けられるべきなのですが、伽椰子は容赦しません。この辺が怖いところです。





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