児童心理殺人事件 (1989年)

初回放送・製作 1989年8月10日・読売テレビ
作品評価
お薦めポイント 泉ピン子さん演じる主婦の地道な捜査能力。
関連情報など NTV系列の木曜ゴールデンドラマ枠で放送。
写真は岩渕健君。


原作は森村誠一「精神分析殺人事件」。いわゆる2時間サスペンスドラマ。最近は単発の2時間ドラマは少なくなったように思います。CS放送の東映chで2022年に鑑賞しました。あまり精神分析とか児童心理などはタイトルほどには出てきません。

蝉を採ろうとしてベランダから落ちたシンイチ(中央の赤いシャツの子)

夏休み。小学生のソウタ(岩渕健)は母(泉ピン子)から受験勉強を強いられてうつ状態。母は気晴らしに田舎へ連れて行く。父が団地で留守番していると近所の少年シンイチが蝉を取ろうとベランダに登り転落。見ていた子供らは父が怒鳴ったせいだと騒ぎ立てる。母は父から事情を聞き、濡れ衣を晴そうと子供らへ聞き取り調査を始めた。

家族の部屋は2階。シンイチはベランダにぶら下がった時、1階の男女の行為を見て落ちたらしい。折しも殺人事件が発生。1階の男女が犯人なのか。しかし事態は急転。1階の男女は単なる不倫。シンイチは部屋の中ではなく、ガラスに映った殺人現場を見ていたのだった。


一応、推理ドラマなのでネタバレしてはいけないのですが。してしまいます。
1階の部屋。真夏なのに黒いカーテン。その隙間から男女の行為を見たと推理したのですが、黒いカーテンの外にガラス。これは鏡になって、後方の風景が見えた訳です。駐車場の隅で首を絞められる女性。

落下したシンイチ少年は命に別状はないものの1週間の入院。精神的ショックを受けて、事情聴取ではカマキリを見たとシュールな回答。カマキリは共喰い(メスがオスを喰う)なので殺人を示唆。ただし本作では男性が女性を殺害。このあたりが児童心理なのでしょうか。こじつけ臭いですけれど。

うつ状態で喋れなくなっていた息子のソウタは、いじいじするシンイチに思わず声を上げます。ちゃんと話せよ。お前のせいで父さんと母さんがどれだけ迷惑しているか判るか。この事件のおかげでソウタのうつ病も治ってしまったというオチもつきました。

父は中学教師。泉ピン子さん演じる母は学歴が無いのでコンプレックスがあり、息子ソウタにはいい学校に行って貰いたいとの脅迫観念があったのでした。ちょっとピント外れでも、行動力がある母親役はハマり役。父を演じた角野卓造さんと泉ピン子さんは、この1年後に始まる「渡る世間は鬼ばかり」でも夫婦役。そして息子役も同じ岩渕健君。(NTVとTBS、系列を超えて同じキャストとは)


受験勉強に追われたソウタは、
うつ状態で話せなくなった。
母は気分転換にソウタを田舎へ。
それでもただ黙っているだけ。
その頃、近所のシンイチは、
ベランダから転落した。


オジサンが怒鳴ったからだ!
子供たちに非難される父。
母は濡れ衣を晴そうとするが。
(個別に聞かないと。)
田舎から帰っても相変わらず
ソウタの目は死んだまま。


退院したシンイチだったが。
なかなか真実を話せない。
真犯人はシンイチを消そうと。
プールで足を引っ張った。
それを目撃したのはソウタ
すぐ通報。シンイチは無事だった。


最後は真犯人が見つかり、ソウタも昔のように戻った。みんなでサッカー。
(ワンパターンのラストです)



※後記
父がこらっと怒鳴ったから落ちた。怒鳴ってなんかいない。子供らの中の女の子1人が勝手に言い出した事だった。そこで母親は当時現場にいた子を全員集めて、本当に聞いたの?と問い詰めます。全員が「怒鳴った」と口を揃えます。これは捜査の初歩が判ってませんね。一人一人個別に聞かないと。





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