くらげくん(郡司大輝君)は、男の子だけれど女の子のような性格(今風に言うと性同一性障害かも)。クラスのガキ大将の虎太郎(安田蓮君)のことが好きだった。しかし虎太郎は迷惑そうな感じである。
その虎太郎が引っ越す事になった。くらげくんと虎太郎は最後のお別れとして二人だけで電車に乗って海岸まで旅に出た。そこで「大人になったら結婚して」と告白。ジャンケンで決めよう。その結果、虎太郎はほっと一安心。
少年映画評価 | 9点 |
作品総合評価 | 9点 |
少年の出番 | 100%(少年二人だけ) |
お薦めポイント | 幼い少年同志の淡い恋? |
映画情報など | 2010年公開/DVD等未発売 (写真はくらげくん役の郡司大輝君) |
2010年11月6日、神戸アートビレッジセンター(神戸)にて鑑賞。
PFF2010(ぴあフィルムフェスティバル)で準グランプリを受賞したショートフィルム。その他にも色々な賞を受賞した作品、とのことで楽しみにしていました。東京の本大会、京都上映会と見ることが出来ず、神戸上映会でようやく鑑賞。
阪急の特急に乗って終点の新開地へ。(阪神でも同じホームです) 地上へ上がる階段にはPFFのポスターも。かつては、いかがわしいイメージの商店街でしたが、震災後にアーケードが撤去され、明るく整備された街になっています。
この通りには、今回の会場アートビレッジセンター、映画館、大衆演劇など、アートな街並みをめざしているのですが、商店街のど真ん中に、ボートレースの場外売場があるため、歩いている方々はアートな感じとはかけ離れた感じです。(一応、警察署もありますので、怖くはありませんが。)
1時間前に会場に着き、当日券を購入。しかし整理番号がないので、「どういう順で入場するのですか」と尋ねたところ、にっこり笑って「時間になればご自由に入って下さい。お席はあります」とのこと。満席で入れるかどうかを心配していたのに拍子抜け。地下のシアターは100席足らず。半分以上空席。東京から来られた監督さんは、どう思ったのでしょうね。
くらげくん(郡司大輝君)は、男の子だけれど女の子のような性格(今風に言うと性同一性障害かも)。クラスのガキ大将の虎太郎(安田蓮君)のことが好きだった。しかし虎太郎は迷惑そうな感じである。
その虎太郎が引っ越す事になった。くらげくんと虎太郎は最後のお別れとして二人だけで電車に乗って海岸まで旅に出た。そこで「大人になったら結婚して」と告白。ジャンケンで決めよう。その結果、虎太郎はほっと一安心。
14分。やっぱり短い。予告編を何度も見て雰囲気をつかんでいましたが、その雰囲気や期待を壊すものではありませんでした。ただ、それでも、あっけない。もっと見たい。ゼイタクでしょうか。男の子なのに、男の子が好きになった。少女マンガの世界の話のようですが、そこに嫌味や、不自然さが全く感じられない、不思議な空気が漂っています。
くらげくんは、女の子のワンピースを着ているけれど、オカマではなく、れっきとした男の子であると自覚し、それでも友達と結婚したい、なんとなく切なくなる気分です。この作品の大きなイベントはジャンケン。2回あります。1回目はズルをします。
でも、これが2回目の伏線になり、そして2回目が終わった後のくらげくんの表情の意味を考えさせられるのです。これは本当にやられたなあ、という気になりますよ。くらげくんを演じたのは郡司大輝くん。セリフ、表情とも、子役離れしたものがありました。
ひょっとしたら、本当に女の子願望があるのだろうか?なんて思えるほど。何とか今のうちに、もう1本、本格的な映画に出て欲しいものです。映画終了後、監督の片岡翔氏が登壇され、挨拶とQ&Aタイムになりましたが、誰も質問しません。最前列にいた私は、質問しようと喉まで声が出掛かりましたが、周囲の空気に押されて黙っておりました。惜しいことをしました。
監督さんの話ですと、元気少年を演じた安田蓮くんの昭和的な風貌を気に入って、これが3本目の起用とのことでした。またセリフは全てアフレコ。郡司くん、安田くんとも子供とは思えないほど、素晴らしいレコーディングをしてくれた、と褒めていました。監督さん、これを機会に郡司くんも、どんどん使って下さいね。
やはり自主映画というのは、製作費がないので、編集や録音は手作りだそうです。スタジオを借りるお金もないので、自前の場所でやったとか。しかし撮影だけはプロカメラマンを起用したそうです。
これは重要ですね。カメラワークが安定していて、見やすいこと、これは映画の基本中の基本だと思います。今回2日間に渡ってPFF4本を鑑賞しましたが、どれもカメラワークは素晴らしい。さすが、ぴあに入選するような作品は、素人とはいえ、基本ができていると改めて感心しました。
一方、公開上映されるドキュメンタリー映画の中には「お猿さんが撮ったの」とまで思うほど酷い撮影で、画面酔いする事も。いくら主張が立派でも、映画の基本が出来ていないものは、お金を取ってはいけないと思うこの頃です。