やぎの冒険 (2011年)

少年映画評価 8点
作品総合評価 7点
少年の出番 100%(主役)
お薦めポイント 中学生監督と侮るべからず!完成度高い。
映画情報など 2011年公開/DVD発売中


2011年2月19日、テアトル梅田(大阪)にて鑑賞。

中学生の仲村颯悟(なかむら りゅうご)君が映画監督と話題になった作品です。話題が先行するだけで、中身はどんなものだろうか。今ひとつ乗り気にならなかったのですが、少年映画ファンとしての義務感みたいなもので、半分は、しぶしぶ行こうかな、というのが正直なところでした。

申し訳ありません。立派な映画でした。中学生監督に、ここまでの作品が出来るとは。本当に土下座したい気分です。I have a dream.(私はサラリーマンですが、映画を作るの夢でした。彼によって、その夢が遠くに去っていってしまった(かな))

左から主演の上原君、監督の仲村君、儀間君
■ストーリー

那覇に住む少年、裕人(上原宗司君)は冬休みに沖縄の田舎へ行く。そこには生まれたばかりの子ヤギ2匹がおり、裕人は可愛がるが、1匹はその日のうちに料理されてしまった。ショックを受ける裕人。しかも、もう1匹も食用にするという。ところがそのヤギが逃げてしまった。

裕人は親戚の少年(儀間盛真君)たちと一緒にヤギを探しに出かけることにするが。

■観光地でない沖縄の日常が興味深い

映画の内容は、ストーリーに起伏が少ないドキュメンタリーのようなものですが、これが沖縄の風土にマッチして、独特な味わいがあります。ただ、ハリウッドや邦画メジャーのジェットコースタームービーに慣れてしまった方々には、きっと退屈きわまる映画であることは、間違いありません。

沖縄にも都会と田舎があったんですねえ。那覇の少年が都会っ子だなんて認識はありませんでした。でもこれは思い上がった先入観。恥ずかしく思いながらも、これが本当の沖縄映画なんだ。本土の人が作った映画ではないんだ、と改めて感心しました。

主演の上原宗司くんが、なかなかのイケメンで、思いがけない拾いものをした気分です。演技もしっかりしていて、沖縄発の少年俳優としてブレイクしてほしい人材です。その他、大人の俳優さんも素朴で自然な演技で好感が持てました。特に、吉田妙子さんが演じた沖縄のオバァ。本当に味わいがありました。こんなオバァがいつまでも元気でいてほしい。

さて、あらためて本映画の感想ですが、監督が中学生とはいえ、制作、脚本、撮影、編集は大人のプロの方が担当されていますので、安心して見れる作品です。しかし逆に中学生らしい、はっちゃけた(懐かしい言葉)部分がもっとあっても良かったと思うのですが。

オーケストラの余興で、素人にタクトを振って貰うような番組があります。ベテランの楽士達は指揮者なしでも、それなりには演奏できるとのこと。今回の映画もそんな感じがしないでもありません。でも、才能がある事は間違いありません。もっともっと勉強して素晴らしい巨匠になって下さい。

主演の上原宗司君。イケメンです
沖縄の夜。焚き火が幻想的





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