カラオケ行こ! (2024年)
少年映画評価 |
中学3年。少年としては微妙な時期。最後の絶唱が全て。 |
作品総合評価 |
現実にはあり得ないような話。でも頭から離れない。 |
少年の出番 |
ほぼ100%。(実質主役) |
お薦めポイント |
ヤクザの前で中学生が絶唱する紅(X Japan)。 |
映画情報など |
2024年公開。BD/DVD発売中。 写真は齋藤潤君。 |
2024年の見るべき映画とリストアップしていましたが、結局映画館では見逃しました。Amazon Primeで配信が始まった時に有料で視聴。更にWOWOWでも視聴。ツッコミどころ満載だなと思ったのですが、なぜか後を引く作品でした。実際に熱狂的なファン(大半は女性)も多くおられるようです。
合唱コンクールが終わった。今年は銅賞。全国大会出場は叶わなかった。
左は後輩部員。右が部長のサトミ。ヤクザの狂児がこれを見ていた。
ヤクザの狂児(綾野剛)はある事情で合唱コンクール大阪会場へ。そこである中学校の合唱に感動。その部長のサトミ(齋藤潤)を待ち伏せして歌の指導をしてくれと頼んだ。狂児の所属する組のカラオケ大会でビリになると組長から最悪な刺青を入れられる。今のままでは狂児はビリになると思っていた。
嫌がるサトミを説得してカラオケへ連れていく。それを繰り返すうちにサトミと狂児の間に友情が芽生える。組のカラオケ大会の前日、サトミは狂児の車が大破して救急車で運ばれる姿を目撃。てっきり刺客に殺られたと思ったサトミはカラオケ大会に入り込み、狂児のために熱唱。ヤクザたちは喝采。そこへ狂児が入ってきた...
ヤクザの狂児と中学生サトミの関係ははっきり言ってBL。コワモテで他の組員にはすぐキレて暴行する狂児ですが、サトミには決して笑顔を絶やしません。怖がっていたサトミがだんだんと慣れて失礼な口をきいても狂児はお構いなし。ラストシーンでは狂児の腕にサトミと書いた刺青。これで決まり。
しかしカラオケの指導に合唱部の部長はミスマッチ? そんな事を言ったら本作に入り込めません。もうそういう漫画の世界なのですから。狂児はなぜか X Japanの♪紅に固執。高い声でシャウトするのですが、声が裏返り音痴にしか聞こえません。サトミは選曲を変えるようアドバイス。
サトミは狂児の声に合った、♪ルビーの指輪など数曲をリストアップ(よくそんな古い曲を知ってましたね)。狂児は喜んで歌いますが、どの歌も最後は♪紅のシャウトに。サトミのアドバイスで合唱や声楽で使う音叉を買った狂児ですが、そんなもの◯に小判、◯に真珠と化してしまいました。
一方のサトミ。中3で合唱部の部長ですが何とソプラノパート。これは演じた齋藤潤君の顔をみて無理があると思いました。指導の女性教師はサトミが変声に悩んでいる事を男性教師から言われるまで気づきません。そんなの判らないでよく合唱の指導をしていましたね。しかもサトミは部長なのに。
後輩のソプラノ男子部員がサトミに絡んできます。もっと真面目に練習して下さいとか。実は彼もサトミ先輩に憧れているBLなんでしょう。卒業式でサトミと写真を撮りたいと泣いている後輩は意外に可愛い。しかしですね、この後輩もソプラノが出るとは思えない感じ。中学生の合唱部には可愛い1年生男子部員はいないのでしょうか。
あと意外に興味深かったのが映画部。部室の看板は「映画(を見る)部」となっており、暗い男子中学生がVHSビデオデッキをプロジェクターでひたすら映画を見ています。変声に悩むサトミも練習をサボって一緒に鑑賞。このデッキは巻戻しが出来ず、テープは1回みたらもう見れない状況。なにか本作を暗喩しているのでしょう。
とにかくヤクザを演じた綾野剛さん、サトミを演じた齋藤潤君が最高です。齋藤君はとっくに変声が終わったような感じでしたが、最後で♪紅を歌う声は少し裏返りかけのソプラノ。ドキッとするような色気を感じました。
コンクール会場からの帰り。
階段の下で狂児が待ち構えていた。
しつこく学校まで来る狂児にこの資料を渡した。
これをあげますから、もう帰ってください。
結局、狂児と一緒にカラオケボックスへ。
サトミ自身は決して歌わない。アドバイスするだけ。
狂児さんに合った歌です。リストを渡した。
おっさんのカラオケ定番曲。よく知っていましたね。
狂児が「可愛いなぁ」とサトミの頭を撫でる。思わず首をすくめるサトミ
カラオケボックスでも1番豪華な部屋。何でも頼みと言われたのに、サトミは炒飯だけ。
サトミたち3年生は卒業式を迎えた。後輩部員は泣きながらサトミの側へ。
(こういうのって女子生徒なら普通ですが、男子生徒は珍しい。やはり女性オタク向けなのか)
サトミは狂児への追悼?も込めて♪紅を絶唱した。そこへ狂児がやってきた。
狂児は少し怪我はしたがピンピン。救急車で運ばれた奴?あれは俺がコテンパンにしたった奴や。
※後記
ヤクザが登場するとなるとなぜか舞台は大阪。出演者もちょっと違和感のある大阪弁。しかし中学校などロケ地は関東のようです。私は全く気にしません。でもどうせなら東京が舞台で、東京のヤクザと中学生で本作を見たかったりして。