宇宙怪獣ガメラ (1980年)

少年映画評価 6点
作品総合評価 3点
少年の出番 90%(準主役)
お薦めポイント ガメラマーチを唄ってくれる少年
映画情報など 1980年製作/BD発売中(写真は、前田晃一君)


邦画少年映画のネタが尽きかけているこの頃ですが、忘れていたジャンルがありました。怪獣・特撮映画というジャンルです。どうも子供騙しのような印象があって、映画としてまともに見る気にはなれませんでした。(もちろん、子供の頃は、胸を躍らせて見た作品もありますけれど)

ふと思い出したのは、旧サイトで「思い出の子役」として前田晃一さんを紹介した時のこと。彼の出演した映画ということで、この「宇宙怪獣ガメラ」のBDを購入しておきながら、ざっと早送りで見ただけでした。そこで今回はじっくりと鑑賞しました。(現在「思い出の子役」はありません)

■ストーリー

宇宙人のキララ(マッハ文朱さん)は地球人に変装して平和を守っていた。キララはペットショップを経営し、毎日やってくる少年 圭一(前田晃一君)に一匹の亀をプレゼントした。

ある日、宇宙海賊が地球を侵略しにやって来た。宇宙海賊はギャオスなどの怪獣を使って地球を攻撃し始めた。キララ達はどうする事もできない。圭一は貰った亀を川に返すが「あの亀はガメラだ」とキララに告げる。キララは、地球を守るのはガメラしかいないと、ガメラを支援して宇宙海賊達と戦いを始める。

海賊の手下である女性宇宙人の妨害を受けながらも、ガメラは次々と怪獣を倒し、最後は宇宙海賊との対決へ。

■完全に「お子様向け」の作品

怪獣映画としては、東宝のゴジラ、大映のガメラ、というのが定番でした。最初のゴジラは水爆実験問題など、社会問題も交える「大人向け」の作品でした。だんだんと子供向けの娯楽作品になり、プロレスもどきの怪獣ごっこになると、もう見るに耐えません。

本作品は1980年という時代を反映してか「スターウォーズ」もどきの宇宙船が登場したり、アニメの宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999がそのまま出てきます。しかし怪獣のシーンは過去のガメラ映画シリーズの映像をそのまま使ったもので、かなりの手抜きといっていいでしょう。ストーリーも大人が見るに耐えるものではありませんでした。

しかし宇宙人を演じたマッハ文朱さん、演技はどうかと思ったのですが、嫌みやクセのない、好感度のもてる演技で、なかなか女優としてもいいのではと思ったくらいです。(余談ですが、宇宙人が人間を装って生活している。サントリー缶コーヒーBOSSのCMは、この作品をパクったのかも)

■少年スタアの系譜。前田晃一君
驚いて目を見張る表情

映画には課題もありますが、前田晃一君の達者な演技には驚きました。もうこの時代には、少年スタアという言葉は無かったかもしれませんが、彼は堂々の少年スタア!

とにかく、くるくる変わる表情、達者なセリフ。おまけにエレクトーンを弾きながら「ガメラマーチ」まで唄ってくれました。(残念ながらボーイソプラノではなく、やや低めの声でした)もうまるで、昭和時代のアイドル映画、天才子役映画、という演出でした。

そういえば、2006年にも「小さき勇者たち〜ガメラ〜」という作品があり、これも主演が少年俳優の富岡涼君だったと思います。次回はこちらの作品をレビューしないと。





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