きみが輝くとき (1985年)

少年映画評価 6点
作品総合評価 5点
少年の出番 100%(主役)
お薦めポイント サッカー少年達の熱演
映画情報など 1985年公開/ビデオ発売終了(写真は、西山剛史君)


典型的なスポーツ少年映画です。出演しているサッカー少年たちが、本当のサッカーチームの子供たち、つまり子役ではなく素人である事に、若干の不安もありました。しかしワンパターンとはいえ、爽やかな作品でした。

■ストーリー

主人公の少年(西山剛史君)は先天性の障害のため片腕がない。彼の祖父(三國連太郎)はそんな孫を障害に負けない明るい少年にしようと、サッカーチームに入団させる。

最初は嫌がっていた少年だが、サッカーの楽しさに目覚めて次第に夢中になり、身体のハンディを乗り越えようと特訓する。しかしある試合で自殺点を出してしまい、チームメイトから叩かれて落ち込んでしまう。しかしそこから頑張って練習を重ねてついには全国大会への切符を手にする。


■実在のサッカー少年たち

主人公を演じる西山君は、実際にサッカーチームに所属する少年で、同じチームのチームメイトもそのまま出演されています。ハンディを持っていますが、ハンディを負い目にすることなく、また逆にハンディを跳ね返そうとして、変に不自然な力みもなく、いたって普通の少年で好感が持てます。映画で観ただけですから、もちろん本当のところは判りませんが。

もう一人、このチームには他所からやってきた少年(増山良久君)がキーマンです。彼はなかなかイケメンで動神経抜群、サッカーも上手いのですが、ワンマンなところがあり、やはりチームから浮き気味の存在で、主役の西山君にも厳しく当ります。

ところが彼の家庭は経済的に貧しく、ユニホームも新しいのを買って貰えないのですが、それを隠して強がりを言っているだけで、根は優しい少年です。面白いエピソードは、彼が母親からアルバイトを言いつけられるのですが、そのアルバイトとは、便所壺に落としてしまった貴重品を拾う仕事でした。

20年前とはいえ、どんな便所なんでしょうねえ。確かにまだまだ汲取り式の便所が多かったとは思いますが、便所壷に人が入れるような構造ではなかった思います。都会型?の汲取り式なんでしょうか。

一人赤いユニホームのワンマン少年
片腕のハンデにめげず練習を重ねる

■紅一点の存在

最後に蛇足ですが、この映画にもいるのです。紅一点というのが。スポーツ映画には不可欠なんでしょうか。少年の中に一人だけ少女が混じっているというシテュエーション。

少年スポーツの監督やコーチは大半が男性でしょうから、チームの中に女の子がいれば、当然のことながら彼女を意識するのではないでしょうか。露骨に少女をエコ贔屓するような監督はいない(結構いたりして)にしても、結果的には周りの少年達よりも目が集まってしまいがちです。

そんなチームでは、少女の比重を1とすれば、その他の少年達は0.6くらいの扱いしか受けていないようで可哀相な気がしてなりません。エースクラスの実力派少年は別として。もちろん見方を変えれば、少女も大変な中で頑張っていると思います。

映画でもスポーツでも、子供のうちは、男女関係なく色眼鏡で見るような風潮が無くなる社会がくる事を祈っています。(偉そうな事を書いている私自身。色眼鏡を外さないと)





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