目的を失った女子高生(上戸彩さん)は、ある日、家具を全部捨ててしまう。そこで少し変った小学生(神木隆之介君)と出会う。小学生に誘われるまま、彼の部屋の押入れの中で、パソコンでエロチャットのバイトを始めるが、結局は見つかってしまう。
少年映画評価 | 8点 |
作品総合評価 | 4点 |
少年の出番 | 80%(準主役) |
お薦めポイント | 神木隆之介君のきわどいセリフ |
映画情報など | 2004年公開/DVD発売中(写真は、神木隆之介君) |
最年少で芥川賞を受賞した綿矢りさ氏のデビュー作(これも当時最年少で文藝賞受賞)これを上戸彩さんと神木隆之介君で映画化ということで話題を呼んだ作品。
目的を失った女子高生(上戸彩さん)は、ある日、家具を全部捨ててしまう。そこで少し変った小学生(神木隆之介君)と出会う。小学生に誘われるまま、彼の部屋の押入れの中で、パソコンでエロチャットのバイトを始めるが、結局は見つかってしまう。
映画の内容の空虚さに、映画としての評価は厳しかったようです。これは原作者が最年少で次々と文学賞を受賞していく事へのやっかみもあったと思います。芥川賞といえば、純文学作家の登竜門として、血眼になって受賞をめざし、毎年選考結果に悲喜こもごものドラマが展開される、そんなイメージでした。
それを人生経験も少ない女の子が、あっけらかんと受賞すれば、出版界の話題づくりだとか、そんな批判が聞こえてくるのも仕方がないかもしれません。それはさておいて、神木君はちょっと謎の少年を可愛く演じ、上戸彩さんとのコンビもピッタリで、ある意味面白い映画でした。
ストーリー的には、上述しましたように、女子高生の心理的な揺れを描いたのでしょうが、それは、あまりに非現実的で空虚な世界でした。それを監督の片岡K(なぜKなのか知りませんが)は、逆手にとって独特のシュールな雰囲気で、徹底的に空っぽなワールドを創ってしまいました。
最初のうちは軽蔑していたのですが、後半は、このワールドが心地よくなってしまい、結果として印象に残った作品でした。
■おしゃれな音楽と小物映画の音楽も、ポップというのか、おふざけ気味な軽いノリで、耳について離れず、この映画とマッチして、新たなワールドへ誘っていきます。なんと気になって気になって、とうとうサントラCDまで買ってしまいました。
神木君のランドセルとか、飼っている金魚みたいなものとか、服装とか、非常にお洒落で、彼のチャーミングさを増強しており、それを見るだけでも楽しい映画です。上戸さんも、この世代の女優としては嫌味がなく自然体で良かったと思います。たまには女優さんも褒めておかねば。