地獄小僧 (2004年)
少年映画評価 |
6点 |
作品総合評価 |
3点 |
少年の出番 |
5%(出番は2分でも美少年) |
お薦めポイント |
お坊ちゃま染谷将太君 |
映画情報など |
2004年公開/DVD発売済 (写真は染谷将太君。まだお坊ちゃん) |
■日野日出志のザ・ホラー怪奇劇場シリーズ
ホラー漫画家の日野日出志氏の有名漫画をシリーズで実写化した作品。原作漫画は、ホラーとはいえ、主人公である地獄小僧の悲しみがにじみ出るような切ないストーリーで、なかなかの名作。
■ストーリー
名外科医でもある女医は、一人息子(染谷将太君)を交通事故で亡くす。その事故とは、車の窓から顔を出していた染谷君が、すれ違ったトラックに首を切断されるという悲惨なもの。(最下部の写真参照。グロがダメな方は見ないで下さい!)
女医である母は手術で生き返らせようとするが無理。ところが葬式の時に不気味な老婆が現れて「同年代の子供の生血を墓に注げば、息子は生き返る」と言われる。女医はその言葉を信じ、子供を集めて殺し、墓に血を注ぐ。
すると息子は蘇るが、可愛いかった息子とは思えない怪物の姿になっている。女医は狂ったように他の子供を誘拐しては殺し、息子の手術をするが、不審な動きを警察にマークされる。怪物となった息子はとうとう母親である女医に牙を向ける。
息子を助けようと、女医である母は、首をつなぐ手術を何度も繰り返す
■冒頭で死んでしまう染谷将太君
お金持ちのお坊ちゃま風の染谷君は、たいへんな美少年で、白いカッターシャツに黒の半ズボン、白のハイソックス姿がまぶしいのですが、自動車事故であっという間に亡くなってしまいます。(冒頭2分くらい)首を飛ばされて、胴体だけの染谷君が数歩よろよろと歩くシーンは、特撮とはいえリアリティに欠けた、いただけないシーンです。
その後、怪物になって蘇った地獄小僧は、残念ながら大人の俳優が演じています。ただ一瞬ですが、母親の女医が手術に成功した時、地獄小僧が染谷君に戻る場面があります。
染谷君は「あおげば尊し」「14歳」などの作品で重要な役を貰っており、最近ではTVドラマにも出ているようです。この地獄小僧は彼にとってどんな位置づけだったんでしょうか。大した役ではありませんが。
■ホラーと少年
この作品も東京で公開されたそうですが、劇場公開はおまけで、DVDによる収入を目指したものと思われます。DVDショップに行くと、ジャパニーズホラーとして専門コーナーが出来るほど、多くの作品が発売されています。頭を使わなくてもよく、それなりに刺激が得られるホラー映画は、昔の怪談話の時代から庶民の娯楽でしたので、低予算で粗製乱造の作品でも需要があるのでしょう。
しかしホラーDVDの主流は、稲川淳二シリーズなどを除けば、女の子が主役のものばかりで、全くワンパターン。まあ、いわゆる芸能プロや劇団には、女優志望の女の子達が大勢いるので、彼女らの大量在庫処分先として、お手軽なのがホラーなのかもしれません。少年が主役のホラーは、日本ではなかなか少ないのが残念です。
特撮ですよ。作り物ですよ。