僕はこの丘で、君を愛したい・・
少年映画評価 |
7点 |
作品総合評価 |
4点 |
少年の出番 |
95%(主役) |
お薦めポイント |
素人だが爽やかな主役少年 |
映画情報など |
2006年公開/DVD発売中 |
■亡き母との想い出の丘を探す少年
前に紹介した「あのころ・・・Summer Memories」と同じミライ・アクターズ・プロモーションが「TWILIGHT FILE2」シリーズで制作した3本のうちの第3段です。よくあるようなストーリーです。また40分の短編なので、かなり強引な展開もありますが、何でもない丘の風景、夏の風、少年の汗など、なかなか爽やかな作品でした。
■ストーリー
少年(杉山舜君)は入院している母親に毎日会いにいくが、ある日、母は重病を押して少年を連れてタクシーで病院を抜け出し、ある丘へ向う。そこで母親はある秘密を丘に埋める。
やがて母親は亡くなり、父子二人だけの生活になるが、少年は心を閉ざしてしまう。父が海外出張に行くことになり、父の弟である若い叔父(溝呂木賢さん)の家に預けられるが、心を閉ざした少年は打ち解けず、学校でも苛められる。
少年は、母と最後に行った丘にもう一度行こうと決心するが、タクシーで行ったため、正確な場所を覚えていない。丘で母親と一緒に撮った写真だけが手掛りであるが、その写真をクラスの悪ガキに破られてしまう。
しかしそれがキッカケになり悪ガキやクラスの少女達と友情が芽生え、若い叔父のハッパもあって、丘を探す小さな旅に出かけ、そこで母親の愛を知ることになる。
■全く素人の主役、杉山 舜君
この作品の主役は杉山舜君という少年。演技は初めてのようで、ぎこちなさが最後まで抜けず、セリフも、長いセリフは一気にしゃべることができず、途中で息継ぎが入るような全くの学芸会レベルでした。クラスの悪ガキ役の子供達の方がずっとセリフも達者なので、主役を入れ替えたらとも思いましたが、やはり主役に選ばれるにはそれなりの理由があったのでしょう。
一つは杉山君の声です。非常に凛としたものがあり魅力的でした。ただ、舞台挨拶の時には、もう変声気味なのか、魅力が半減しているように感じました。もう一つは、少年独特の表情です。キラキラと星が輝くような眼を持ち、何でも吸収してやろう、冒険してやろう、というポジティブな表情を持つ少年は少女マンガにしかありません。
この年齢の少年の表情というのは、どこかポッカリと穴の開いた虚ろな眼を持ち、何を考えているのか判らない、こんなのが特徴です。その虚ろな表情の中に、どこか色気とも、切なさともつかないモノを備えているような子役はなかなかいないのですが、この杉山君は少し備えています。(単なる自分の嗜好かもしれませんけど。)
■結構、豪華な大人の俳優さん
こんなマイナーな事務所の作品ですが、俳優さんは名前の通った方が出演されています。若い叔父さん役は溝呂木賢さんで、特撮TVなどのビジュアル系の役者さんらしいです。私は観たことはありませんが、なかなか若者らしいピリっとした役どころでした。
母親役は細川ふみえさんが演じていますが、これは映画にとってマイナスかもしれません。本来は泣ける母親の愛情を描いているはずですが、どうもお色気バラエティ番組に出ている細川嬢の姿ばかりが目に浮かんで、浮いているように見えました(美人で演技もそこそこなのですが、染み付いたイメージで損している感じで、少し気の毒かなあ)。その他、プロレスラーの藤波辰爾氏などがチョイ役でした。
■DVDで鑑賞
「あのころ・・・Summer Memories」は池袋の映画館で観ましたが、この作品は時間が合わず、観れないままでしたが、DVDが発売されたので通販で買い求めて鑑賞しました。(少しDVD収録画質が悪いような気がします。)
決してメジャー公開したり、TV放映されるような作品レベルではないかもしれません。それでもこんな映画ばかりを専門に上映するような常設映画館がないものでしょうか。ないなら、そんな映画館をいつか自分で経営してみたい、そんな夢を持っています。
ミライ・アクターズ・プロモーションのサイトで色々なDVD、CDを売っていますので、どうぞ興味のある方はお買い求め下さい。(事務所の関係者ではありませんが、宣伝まで)