長崎のある教会に赤ん坊が捨てられた。彼は教会のシスター達に育てられ、少年(原田光君)に成長したが、脚に障害が残ってしまった。ある夜、少年は幻想の世界にめぐり入り、彼を捨てた父の秘密などを知る事に。
少年映画評価 | 6点 |
作品総合評価 | 4点 |
少年の出番 | 30%(重要な役ですが) |
お薦めポイント | 幻想的なボーイスプラノ |
映画情報など | 2007年公開/DVD未発売 |
主に映画美術の分野を歩まれて、日本映画美術の「巨匠」といわれる木村威夫氏が監督された3作目の作品とのことです。馬頭琴とは、馬の頭の飾りがついた中国北部かモンゴル地方の楽器のこと。
■ストーリー長崎のある教会に赤ん坊が捨てられた。彼は教会のシスター達に育てられ、少年(原田光君)に成長したが、脚に障害が残ってしまった。ある夜、少年は幻想の世界にめぐり入り、彼を捨てた父の秘密などを知る事に。
というようなストーリーですが、なんだか訳が分からないビジュアル的な映画で、疲れている時に観ると、確実に意識が遠のきます(快眠、癒し映画になります)。上映時間は55分の中篇作品。
主役の少年を演じたのは原田光君。木村監督の舞台挨拶(公式ページにリンク)によると、この映画ではボーイソプラノを使いたいが、日本にもいるのか?とスタッフに聞いたら、探してきてくれたのが、この原田君らしいです。
監督は79歳との事ですが、そんなに長い年を生きてきて、日本にもボーイソプラノがあることを知らなかったというのが驚きです。(まあ、ネタでしょうけれど。)
購入したパンフレットによりますと都内の少年少女合唱隊に所属しており、作品中でも素晴らしいボーイソプラノの片鱗をみせてくれます。折角の美声なのに、断片的にしか歌声が流れないのが残念でした。もっとしっかり彼の声を聞かせてくれれば良かったのに。
歌声や顔は幻想的な映像にマッチしていて、素晴らしいのですが、もう一つ残念なのは、その服装でした。ダボっとしたカーゴパンツもどきのズボンは、あまりにも現代的というか、その辺の雑踏にいる糞ガキと同じで、かなり幻滅でした。
何もウィーン少年合唱団のようなセーラー服を着せろとまではいいません。清潔な白シャツに黒の半ズボンといった普通の小学生の格好くらいさせて欲しかった。なお原田君は都内の芸能事務所にも所属し、CMやミュージカルなどの芸能活動もしているとの事ですので、また映画に出演してくれるかもしれません。
映画の雰囲気は、古いチェコや東欧の人形アニメのようなテイストで、どこか郷愁を誘うものでした。自分は、伝説の洋菓子メーカー「パルナス」のCMを思い出しました。(関西人しか判らないと思いますが)
映画作品としては、出来は今一つですが、たまにはこんな映画もいいんではないでしょうか。