スマイル 聖夜の奇跡 (2007年)

少年映画評価 6点
作品総合評価 6点
少年の出番 90%(チームで出演)
お薦めポイント 本物のアイスホッケーは迫力十分
映画情報など 2007年公開/DVD発売中
(写真はチームのイケメン少年、綿貫智基君)


■典型的なテレビ局制作映画でしたが。

(これを書いているのは2011年8月)になって思えば、2007年は少年映画が豊富だった年でした。その2007年に公開された本作品ですが、監督が俳優の陣内孝則さん、フジテレビ+東宝映画。そしてアイスホッケーとはいえ、弱小チームが勝っていくという、完全に「がんばれベアーズ」パターン。

なので、とうとう映画館には行きませんでした。ただDVDだけは購入しておいたのですが、それも押入の中で眠っておりました。その後、衛星放送スカパーで放映されていたのをざっと(パソコンで作業しながら横目で)見たのですが、その時は大して感慨もありませんでした。しかしこの2011年の夏は見ていないDVDや録画データの棚卸しをしていて、本作をじっくり鑑賞。意外にいいじゃないか。

■ストーリー

タップダンサーになる夢を捨てた青年、修平(森山未來さん)は、恋人の静華(加藤ローサさん)のいる北海道へ小学校教員としてやってきた。早速、静華に求婚するが、彼女の父親が難物。弱小チームのスマイラーズを優勝させたら結婚させてやる。まあ、テレビ的なストーリーですこと

スマイラーズは勝った事がなくチームはバラバラ。そこへスケートすら未経験の修平が監督に。でも専攻の児童心理学と、タップで培ったリズム感で独特な戦法を編み出す。また勝気少女、ロシア少年、相撲少年達をスカウトし、あれよあれよと言う間に強くなっていく。お決まりのパターン

さらに、同じリンクで練習していたフィギュアスケート超美少女(岡本杏理さん)とチーム1のイケメン少年(綿貫智基君)の淡い初恋、そして美少女を蝕む不治の病。この美少女の願い、修平の願い、スマイラーズの願いをかけて、いよいよ決勝戦。聖夜の奇跡は起きるのでしょうか。

イケメン少年の淡い初恋
■素人少年たちの奮戦

色々なところで書かれていますが、キャストの子供達は児童劇団の子役ではなくアイスホッケー選手達の中から選ばれたとの事。ホッケーのシーンをリアルに撮影するための選択。これが当りでした。しかもルックス的には子役顔負けの美少年もいて、なかなか個性豊かな面々。

中でも綿貫智基君。フィギュア美少女との初恋というサイドストーリーを担う大役。きりっとした美少年顔は黙っているとそれだけで絵になるのですが。やはりセリフは苦労しているようです。

それと気になったのが、この年齢で身長の高い少年に多い姿勢の悪さ。急に身長が伸びる事に戸惑ったような猫背はいいイメージではありません。ピシッと背筋を伸ばして頑張れ。(彼はこの作品で見出され、立花裕大という芸名で俳優デビューとの事。でもそれから4年、どうしているんでしょうか)

メンバー全員は書けませんが、気になった少年を紹介。。チーム補欠役の鈴木拓也。別れた母親を慕う純粋少年。劇団所属の子役かと思ったほど安定感抜群。メンバー最年少の和田真之介君。本編では目立ちませんが、メイキングでは、他メンバーやキャストに可愛がられている様子が微笑ましい。

マスコットの和田真之介君

眼鏡の似合う鈴木智聡君。童顔ですがチーム最年長の中学3年生。DVD特典映像では声変りもなく童顔のまま高校生になり、アイスホッケー部で奮戦中とか。チームには女子選手もいますが、女子選手に過度なスポットを当てず、少年キャラを丁寧に描いていました。これがこの映画に好感が持てた大きな要因でした。

■大人の俳優たちの好演

この映画の主演は森山未來さん。正直言ってどんな俳優さんかあまり知りませんでしたが、彼の嫌味のない爽やかな演技には驚きました。もっと最近の若者風のちゃらちゃらした感じかと思っていたのですが、こんな先生が小学校にいたら楽しいだろうなと思うほど適役でした。

女優陣も頑張っていたし、脇役も豪華。特に気に入ったのはガードマンの寺島進さん。チョイ役だけど存在感抜群。それと、わずか4年前の作品なのに故人となられた谷啓さん、スーちゃんこと田中好子さん。スクリーンの中のお元気な姿に、あらためてご冥福を祈りたいと思います。

■追伸。リトル・ドラマー・ボーイ

本作品の実質のテーマ曲はクリスマスソングのThe Little Drummer Boy。冒頭場面で少年少女聖歌隊が歌っていますが、この声は合唱団の声ではない。聞いたような声だと思っていたら、少年時代のマイケル・ジャクソンさん(当時はジャクソン5)でした。

youtubeを検索すると人形劇フィルムがあり、これがなかなか可愛くて涙が出るような作品でした。「僕は貧しい少年でイエス様に捧げる贈物がない。その代り心を込めてドラムを演奏します」いい話ですね。





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼少年映画第3部へ戻る