忍たま乱太郎 (2011年)

少年映画評価 7点
作品総合評価 4点
少年の出番 100%(少年俳優だらけ!)
お薦めポイント 和製ホグワーツ?の世界をどうぞ
映画情報など 2011年公開/DVD・BD発売中


■テレビアニメの映画化

NHK教育テレビで夕方やっているのは、ぼんやり知っていましたが、そんな時間に家にいる事はなく、たとえ家にいても、まず見る事はありません。(この番組のすぐ後に放映の「天才てれびくん」はタマに見ることはありましたが。)

人気子役の加藤清史郎君が主役を演じるとの事で、メディアでも結構プロモーションされたようですが、劇場公開時にはとうとう行けませんでした。ターゲットとなる客層を考えると、中年男性一人で映画館に入る勇気がどうしても沸かず。どうしても見たい少年俳優が出演していれば、恥も外聞も捨てて映画館に行くのですが、この映画では、そこまでモチベーションが沸きませんでした。

■ストーリー

しがないヒラ忍者の夫婦(中村獅童さん、檀れいさん)は、息子の乱太郎(加藤清史郎君)だけはエリート忍者にさせようと、忍術学園に入学させる。さあここから乱太郎の忍者修行が始まった。道場破りが来るなど波乱もあるが、親友2人(林遼威君、木村風太君)も出来、1学期も終了。

ところが夏休み、ある上級生(溝口琢矢君)父子が、実は別忍者集団からの逃亡者(抜け忍!)である事が判り、その集団から命を狙われる。

なんだかんだの末に、その集団と忍術学園1年生の競争で勝負をつける事となり、乱太郎たちと忍者集団のずっこけバトルが始まった。そして、その結果やいかに。

■これは映画ですか、それともバラエティですか?
溝口琢矢君

確かにDVD(いや今回は奮発してBlu-ray買っちゃいました)を見ていても、面白くて、途中休むことなく一気に見てしまいました。でも、これって映画かな。昔なつかしい「8時だよ全員集合」のドリフのコントを拡大版にしたような、そんな面白さです。

原作はよく知りませんが、どうしても「ハリーポッター」シリーズと比べてしまいます。いくら三池大監督様でも、天下のNHKでも、ハリーポッターほどの製作費は無理。特撮などのスケールでハリーポッターと正面から戦って勝てる訳がない。そこで、こんなギャグ路線にしたのでしょうか。

それも有りかなと思います。CGなどデジタル技術よりも、メイクやセット(セットなのが丸見えのチープなもの)など、アナログで押すのも、これだけ徹底していれば、ある意味爽やかです。

その分、俳優さんにお金をかけたのでしょう。特に大人の俳優さん、中村獅童さん、檀れいさん、平幹二郎さん、松方弘樹さん、寺島進さん。もう無駄といっていいほど超豪華メンバー。ただ、その代り、本来主役である加藤君を含め、少年俳優の印象が薄れてしまったことが残念ではあります。

■少年俳優の在庫一掃セール?
北村匠海君

忍術学園は男子校(女子校「くのいち」養成所は別にある)なので加藤君世代の低学年から中高生世代までの少年俳優が目白押し。日本にもっともっと少年映画があれば、主役を務められそうな俳優たちも、ここでは端役。セリフ一言あればいい方。

特に少年俳優として1番輝き出す12歳頃になると、日本では出番が極端に減るようなのが残念でなりません。(欧米では12歳くらいの少年俳優が必需品みたいに思いますけれど)

本作主役の加藤君。2011年ブレイクした鈴木福君など、低学年の子役さんが頑張っているのは嬉しいのですが、映画の中で、ひとりの人格として演技ができるのは、もう少し成長して思春期前くらいからではと思います。(もちろん個人差や役柄により異なるでしょうけれど)

■気になった少年俳優など
澤畠流星君

そんな中で印象に残った少年俳優について。まず加藤君は言うことないでしょう。ただ主役という割に印象が弱いのは、群像劇みたいな脚本のせいで仕方がありません。一方、親友を演じた林遼威君。彼のインパクトの方が強く残りました。「誘拐ラプソディ」の時からタダ者ではないと思っていましたが、彼は本当、将来楽しみです。

年長の少年俳優で目立ったのは溝口琢矢君。なぜかといえば、加藤君がブレイクしたNHK大河ドラマで共演していたのですね。その繋がりで、いい役を貰えたのでしょうか。でもそんなこと関係なく、いい少年(もうすぐ青年)に成長していて、彼も将来楽しみ。

後は北村匠海君。彼の鋭い目がずっと好きでした。最近の公式ブログを見ると、ダボっとした服装など、違う世界へ行ってしまったようで寂しいのですが、この映画では以前の凛々しい北村君が見れて嬉しかったです。(出番は少しですけれど)

他には、やはり公式ブログを見させて頂いている澤畠流星君。一言だけセリフありました。まだ声変りせず。また、北村君の同級生役の岡山智樹君、奥本凱哉君の2人も凛々しい。(北村君とこの2人は扮装のおかげで見分けがつきませんでした)

■ちょっと、おまけ(蛇足)

映画館で見れなかったのでパンフレットは入手しておりませんが、オフィシャル・ブックをAmazonで購入。ぱらぱらと読んでいましたが、気になったのが忍術学園名簿。映画では出てきたかどうかさえ判りませんが、最上級生役の名前。

潮江門次郎、立花仙蔵、七松小平太、中在家長次、善法寺伊作、食満留三郎。これって。どこかで聞いたような姓だなと思い、最後の食満(「けま」と読みます)で判りました。尼崎市内の地名ではないか!(原作ファンの方には常識なのかもしれませんが)

原作者は尼崎の人だったのですね。う〜ん、昔は兵庫県尼崎市というと「アマ」と言ってガラの悪い土地の代名詞みたいでしたが、今は再開発が進んで驚くほど綺麗な街になっています。え〜、どうでもよいことでした。





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼少年映画第3部へ戻る