芯(土師野隆之介君)は三宅島で、父(佐藤隆太さん)と母(麻生久美子さん)と暮らしていた。自宅で民宿を営んでいたが、2000年、三宅島の噴火により避難を余儀なくされた。そのゴタゴタで、芯が家族同様に暮らしてきた愛犬ロックが行方不明に。
東京で避難生活をおくっていたが、どうしてもロックの事が忘れらない。役場などを通じて犬を探して貰う。そしてとうとう、ロックが生きていることが判った。
少年映画評価 | 7点 |
作品総合評価 | 5点 |
少年の出番 | 100%(堂々主役です) |
お薦めポイント | 終盤、成長した主人公を演じた佐原弘起君 |
映画情報など | 2011年公開/DVD発売中 (写真は、実質主役の土師野隆之介君) |
2011年11月7日、淡路東宝(大阪)にて鑑賞。
このところ粗製、乱造されたおイヌ様映画。しかもフジテレビの朝のバラエティそのまま、とあって完全にスルーするつもりでした。それが今頃になって大阪の裏ぶれた映画館で上映されるとの事で、期待もせずに鑑賞。結論から言えば、テレビ特有の軽薄さの中で、土師野隆之介君の熱演が光っており、それなりに見れる映画でした。
この日は月曜でしたが、市役所等への用事があり休暇。そのまま阪急の淡路駅まで。商店街の中のレトロな映画館は、毎週月曜はメンズデーで1000円とのこと。しかし受付へ行き「大人1枚」と言うと、受付のオバさんは慌てた様子で「ちょっと待って下さい」と言い、電話で映写室と話を始めました。「今から大丈夫?」
どうやら平日で客がいない場合は節電のためか映写しないようです(しかもそれが常態?のようで、月曜昼の客に驚いているような)。そんなこんながありましたが無事に入館でき、広い映画館を一人占めです。なんてったって東宝直営館ですから、古いとはいえ映画館内は非常に立派で見やすいスクリーンです。
芯(土師野隆之介君)は三宅島で、父(佐藤隆太さん)と母(麻生久美子さん)と暮らしていた。自宅で民宿を営んでいたが、2000年、三宅島の噴火により避難を余儀なくされた。そのゴタゴタで、芯が家族同様に暮らしてきた愛犬ロックが行方不明に。
東京で避難生活をおくっていたが、どうしてもロックの事が忘れらない。役場などを通じて犬を探して貰う。そしてとうとう、ロックが生きていることが判った。
クレジット的には佐藤さんと麻生さん夫婦が主役ですが、芯少年の目線での話が進みます。このためストーリーには割と安定感があります。父は前向きで明るいけれど少し軽いというキャラ(佐藤さんのキャラそのまま)。母と祖母のキャラのブレが大きいのが気になりました。暗いかと思ったら突然ハイになったりと。
映画を見ていると、一番幼くて頼りないはずなのに、芯少年が出てくると画面が安定します。そんな何かを持っている子役さんでした。三宅島避難から4年後。芯はロックと感動の再開をする訳ですが、さすがに土師野隆之介君では年齢的に演じられず、佐原弘起君に交代。
土師君の印象が強烈だっただけに佐原君にはプレッシャーがあったと思います。八の字眉毛の愛嬌のある顔から、スキっとした美少年へ。もう少し似ている子役を起用せよ(例えば兄弟とか)とのコメントも掲示板等で見ました。
でも私は佐原君で良かったと思っています。爽やかな笑顔が印象的で、本当はこれからが大変な生活なのに、素晴らしい未来が待っているような希望が感じられるラストシーンでした。
冒頭に書きましたように、フジの「めざましテレビ」の「今日のわんこ」(この「わんこ」という単語がどうも好きになれません。品がない)コーナーを延長したような映画ですが、今年のダメ映画「わさお」のような手抜きはなく、丁寧に作られているのは意外でした。
それだけに、フジテレビ色を減らして、きちんとした映画にして欲しかったという思いもあります。東宝作品ですので、公開前にはかなりのプロモーションも行われたようですが、興業的にはどうだったのでしょうか。
無理なお願いかもしれませんが、今度は佐原君主役で続編が見たい。島の暮らしの再生とロックが天国へ行くまでの物語など。ちょっとありきたりかもしれませんが。