プリンの味 (2012年)

少年映画評価 5点
作品総合評価 4点
少年の出番 100%(短編ですが主役)
お薦めポイント お爺ちゃんの遺言はプリンを食べるな
映画情報など 2012年公開/DVD等なし(写真は金井光翔君)


2013年3月28日、梅田ガーデンシネマ(大阪)にて鑑賞。
2012年の若手映画作家育成プロジェクト(ndjc)の5作品の中の、少年映画2本目です。

■ストーリー

小学2年生の宏之(金井光翔君)は、両親と祖父の4人家族。ある日、学校から帰ってきた宏之は、冷蔵庫の中のプリンを食べた。実はこのプリン、祖父(上田耕一さん)の好物で、食べようと買ってきたものだった。

祖父に「プリンを食べたか」と聞かれ、思わず「食べてない」と嘘を言ってしまった宏之。たかがプリン。しかしこれが大きな騒動になってしまった。「誰かがプリンを食べた」と騒ぐ祖父のことを、両親は「惚け老人」扱いし出したのだ。

爺ちゃんに謝りたい。爺ちゃんの事が好きなのに。みんな爺ちゃんをバカにしている。そんな最中、爺ちゃんは、あっけなく亡くなってしまった。冷蔵庫の扉には「プリン食べるな」の紙を貼ったまま。

宏之はショックだった。どうして爺ちゃんに謝らなかったのか。せめて遺言だけは守ろう。もうプリンは絶対食べない。さて、そんな決心は、続くのでしょうか。

■小品ですが、いい味出していました。

年のせいか、私は、もうプリンなんか欲しくもありません。でも、そういう食べ物にこだわる気持ちはよく判ります。主役を演じた金井光翔君。少し、いや、かなりポッチャリ系ですが、プリンを本当に美味しそうに食べます。この食べっぷり。やはり、太めの体形がいい効果を出しています。

お爺ちゃんのことが好きで、でも少し気が弱く、一歩の勇気が出ない、そんな子供の葛藤を自然な演技で演じてくれました。声も可愛い。もう一人。このお爺ちゃん。プリン如きにこだわる、頑固なお爺ちゃんですが、自分が家族の中で、浮いている事も判っている、孤独なお爺ちゃん。でも孫には優しい。

このお爺ちゃんが、なんとなく可愛い。そして哀れでもあります。人生の末期。ボケ老人扱いされ、厄介者扱いされ、あっけなく死んでしまう。人生とは、そんなものなんでしょうか。

小品ですが、どこか考えさせられる作品でした。

おじいちゃんにプリンを返そうと走って
しかし、おじいちゃんは急に倒れてしまった





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