だいじょうぶ3組 (2013年)
少年映画評価 |
5点 |
作品総合評価 |
5点 |
少年の出番 |
90%(群像劇ですけれど) |
寸評 |
現実はこんな風にいかないけれど、いい話 |
映画情報など |
2013年公開。DVD/BD発売中。(写真は三船海斗君) |
「五体不満足」の乙武洋匡さんの実話に基づく小説の映画化。この「実話に基づく」という部分がどうも、ひっかかって、公開時には鑑賞しませんでした。2008年の映画「ブタがいた教室」で、疑似ドキュメンタリー風の群像劇が、どうしても好きになれなかったことが原因です。
最近になって(2014年9月)、スカパーの日本映画専門チャンネルで何回かリピート放送されましたので、録画して少し真剣に鑑賞しました。ちょっとキレイすぎる脚本ですが、疑似ドキュメンタリーではなく、普通のドラマ作品で、思ったよりも楽しめました。
(追記)2016年、5人もの女性と不倫していた事が判明。芸能界から追放同然となりました。身から出たサビですので仕方ありません。前から少し傲慢な人だとは思っていました。映画は別物ですけれど、やはり評価は低くなります。
■ストーリー
関東地方のある小学校の5年3組に、新任教師の赤尾先生(乙武洋匡さん)がやってきた。赤尾先生は両手両足が無く、電動車椅子。あっけにとられる生徒たち。もう一人、補助役として白石先生(国分太一さん)も一緒だった。
戸惑う生徒たちをよそに、赤尾先生はハンデなんて全く気にせず授業を続ける。前半のエピソードは、男子生徒の康平(三船海斗君)が、反抗的な態度をとること。しかし彼に対しては、赤尾先生はクールで、白石先生が対応します。やがて運動会の行事を通して、康平の心が開き、一件落着。
後半のエピソードは、女子生徒(上白石萌音さん)の登校拒否問題。彼女に対しては、赤尾先生が涙を流しながら奮闘し、最後は解決に導きます。その後、遠足で登山したり、生徒たちと心を通わせながら、1年が過ぎ、赤石先生は去っていきます。(乙武氏は女の子好きをここでも露呈)
■国分太一さんの存在がキーポイントでした
主役はもちろん、赤尾先生を演じた乙武洋匡さんです。テレビや雑誌で見聞する乙武さんに対しては、妙に突っ張っている感じがして、今ひとつ共感を覚えず、はっきり言えば、好きではない部類の人でした。
本作品では(まあ映画なのでアレですが)、なかなか好感の持てる人だと、印象を改めました。ハンデを持っていても、全くそれを理由にしないのが潔いところ。出来ない事は、他人に頼るのですが、それを「ハンデがあるから当然!」ではなく、感謝の表情が見えました。(やっぱりこれは演技であって、本性は違ったのか)
そして白石先生を演じた国分太一さん。最初は、補助教師という役と同じで、乙武さんの「影」になる地味な役柄だと思ったのですが、国分さんの存在感が徐々にアップしてきます。善人?を絵に描いたようなキャラクターは、見ていて安心。J事務所というと、どうしても偏見がありますが、国分さんはいい役者さんになったと思います。
しかし実際問題として、27名のクラスに、ハンデがあるとはいえ正教師と、補助教師を2名採用するなんて、可能なんでしょうか。生徒数減少で学校経営の厳しいところですから、ひょっとして2人で1人分の給料しか払っていないとか。
また、生徒たちの心をつかんでいくストーリーはいいのですが、現実的には、こう簡単にはいかないと思います。ちょっとキレイに作り過ぎていて現実感は乏しい感じがしますが、苛め、暴力、ノイローゼなどの現実を見せつけられるより、映画なのですから、こんなファンタジーを見る方が心が和みます。
リレーで負けて国分先生に肩を抱かれる
乙武氏は男子に冷淡。国分さんは優しい(さすがJ事務所)
学級委員長役の中野澪君
映画「宇宙兄弟」で活躍したそうです
■生徒役を演じた少年俳優さんについて
エンドロールのキャスト。この手の学校ドラマでは男女出席名簿順のケースが多いのですが、本作品はズバリ重要な役柄の順。いや〜勝ち負けハッキリ。厳しいです。で、別格トップは上白石萌音さん。彼女は監督さんの一番のお気に入りなんでしょう。(2014年「舞妓はレディ」堂々の主演女優。一番の出世頭かな。)
男子では三船海斗君がトップ。ちょっと突っ張り役でしたが、少年らしいソプラノ・ボイスが印象的でした。サントリー烏龍茶のCMで少し話題になりましたけれど、いい作品に恵まれて欲しいですね。以下、男子生徒役の少年俳優さんで気になった方の写真を掲載して、本レビューを終わります。
TVでみた子役さんも大勢出演
字は違うけれど「しおん」という名の少年が3人も
鷲田詩音君。彼も「しおん」です。
本作では活躍していませんが、イケメンでした