少年映画評価 |
5点 |
作品総合評価 |
5点 |
少年の出番 |
100%(但し主役は、満島ひかりさん) |
お薦めポイント |
加部亜門君のモジモジした演技 |
映画情報など |
2014年公開/DVD発売中 (写真は堂々主役の加部亜門君) |
2014年2月16日、イオン・シネマ大日(大阪)にて鑑賞しました。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーと、石井克人監督がタッグを組んだ、子ども向けの作品で、なんと全ての映画館で小学生は無料!というキャンペーンを張った意欲的な映画でした。
無料で見にきた小学生で映画館が騒がしいと嫌だな、なんて思いながらシネコンへ。ところが私の見た回は、小学生は皆無で、高齢者夫婦や、なぜか中年男性お一人様がちらほらと。全部で20人もおりません。これは寂しい。
■ストーリー
小学生の純一(加部亜門君)は気が弱く、勉強も遊びも「人についていく」だけの大人しい少年だった。そんなクラスに教育実習生のアンナ先生(満島ひかりさん)がやってきた。美人で、ちょっと危ない雰囲気の女子大生。(どうひっくり返って見ても、女子大生には見えません。水商売系のオネーさん)
純一には友達がいた。ボス格の中山、子役をやっている町田、お調子者の倉本、お金持ちの井田、そしてアイドルになりたい田中(女の子)の6人組だ。それぞれに事情はあるが、本作品では、倉本(堀田耀平君)の両親の離婚問題を中心にドタバタ物語が進行する。
倉本のお母さんの誕生日に、6人組でプレゼントをしようと画策を始める。6人でバンドを結成し、誕生日にコンサートをやると言う計画。お金も無いのにバンド?そこは映画(それを言っちゃあ、おしまいよ)。アンナ先生の六面八臂?の大活躍などもあり、楽器と会場の倉庫を借りることが出来た。
一方、主役のはずの純一。バンドと言ったって、タンバリンを振ってクネクネ踊るだけ。でも純一には別の問題がありました。それは、クラス1美少女の前田さんから1ヶ月前に借りた消しゴムを返す事。前田さんの前に出るとあがってしまい、できないのです。さてコンサートは成功するのか。前田さんに消しゴムを返せるのでしょうか。
■冒頭9分のイライラ(なんとかしてくれ)
さて映画が始まって約9分間。カメラはほぼ固定で、子役たちのノイズのみが続きます。何を喋っているのか聞き取れません。ガナっているだけ。子役映画好きな私ですらも、席を立とうかと思ったくらいです。普通の人なら耐えれない気がします。
石井監督の意図をネットで読みましたが、映画の冒頭で観客を引き付けるための作戦だったとの事ですが、これは大失敗じゃないですか。(あくまで個人の意見)
これを長回しというのかもしれませんが、その効果が全く感じられません。逆に「これは失敗作」との先入観がついてしまい、その後のストーリー展開もマイナス視点になってしまいました。でも終ってみればそれなりに力作。それだけに冒頭部分が惜しい。(フィギュア・スケートで言えば、最初に4回転ジャンプを連続して失敗してしまったような感じです)
危機一髪、先生に助けられる
(この写真だけみると、先生に襲われてるみたい)
とうとう消しゴムを返せたと思ったら
女の子ではなく、坂本君のだった。ウィンクがやばい
■印象に残った子役の演技について
まず加部亜門君。タイトルにある純一役ですので、堂々の主役のはずですが、それほど活躍する訳でもありません。なので、見た当初はやや不満も残りましたが、後になって思い出してみると、結構印象に残る役です。単に気弱なキャラはでなく、優しいこと、そのうえ正義感があることに感心しました。
何よりプニプニした容姿には癒されました。まるで子犬(ごめんなさい)のようで、声もキュート。思わず抱きしめたくなります。担任の先生が、ある犯人を取り押えようとして、間違って純一を捕まえるシーンがあります。この先生の役を羨ましく感じてしまいました。
次に子役をやっている町田役の椙杜翔馬君。マセガキのキャラですが、普段の表情は普通の子ども。でもパッと明るくなる満面の笑顔はCMモデル向き。映画ではメインのストーリーにはあまり絡まないのですが、印象に残りました。おまけですが、町田君が出演したという設定のTV CMが昭和っぽくて嬉しい。
倉本役の堀田耀平君は出番も多く、この作品のキーマンかもしれません。なかなか達者な演技をみせてくれました。中山役の大嶋康太君は「ドラえもん」で言えばジャイアン役かと思ったのですが、もっと繊細な役で、彼も大熱演だったと思います。井田役の西田光貴君は、残念ですが、あまり印象に残りません。(次に出る作品では頑張ってね)
女の子では田中役の佐々木りお さん。多分、石井監督の一番のお気に入りなのでしょうね。大熱演でした。さて、もう一人。殆ど端役だったのですが、印象に残った子役さんがいます。少しネタバレになりますが、純一が意を決して消しゴムを返しに行きます。前田さん「これ私のではなくて坂本君のよ」ガーン!
いつも女の子と一緒にいるお坊ちゃまの坂本君を演じた上野結菜君。なかなかのキャラでした。純一から消しゴムを受取って「待ってたよ〜」とウインクする坂本君。いやこのお年でオネエのキャラとは、なかなか面白いですね。(上野結菜の名前をみて、最初は女の子と思いました。でも結菜(ゆうな)という男の子らしいです。
モデルにキスされる町田君(このマセガキめ)
モデルと一緒にCMに出演した町田君
(懐かしい昭和スタイルの服装がいいなあ)
■その他
本作品は、上映している映画館で特典グッズを販売しているのですが、その中にDVDも販売されているのです。なんと1575円(税込)。大人の映画鑑賞券1800円よりも安いのです。映画館へ行って映画を見ずにDVDだけ買って帰った方が安いのか。私も迷いました。
うるさい小学生で混雑しているようならば、そうしたかもしれません。でもやはり映画館で見るのが正解です。冒頭9分は余計でしたけど。(DVDなら絶対早送り)しかし、うるさいどころか、一人の小学生すらいないシート。終映後、ショップで特典のDVDを買い求めたのですが「ハロー!純一」のDVD下さいというのが、かなり恥ずかしかったです。
そんなこんなですが、是非とも皆様も映画を鑑賞するかDVDをお買い求め下さい。DVD(1575円ですが、本編のみ収録)は現在、上映館のみでの販売ですが、そのうちに市販される事と思います。ひょっとするとメイキング等の特典映像もついて3900円くらいになるのかもしれませんが。