ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック (2014年)

少年映画評価 5点
作品総合評価 4点
少年の出番 50%(半分主役)
お薦めポイント 吉井一肇君のコスプレ姿
映画情報など 2014年公開/DVD未発売


この長ったらしいタイトルは一体何なんでしょう。映画とは思えませんでした。たまたまネットで映画館検索をしていた時に、吉井一肇君の名前が目に止まり、なんだか判らないけれど、見てみようか。

昔懐かしいファミコン・ゲームの攻略がテーマだという以外の予備知識なく、映画館に寄ってみると、毎月1日はサービスデイで1000円。これなら失敗作でも構わないと入場。結構混んでいました。(映画の人気なのか、サービスデイのせいなのかは不明)

ゲームの登場人物のコスプレで
■ストーリー

フジテレビ系列で、懐かしのテレビゲームに挑戦する「ゲームセンターCX」という人気番組があるそうです(私は見たことがありません)。番組は、お笑い芸人よゐこ(松竹芸能)の有野晋哉さんが、有野課長という設定で挑戦。

マイティボンジャック

その有野課長が挑戦するのが「マイティボンジャック」という難関ゲーム。2006年という設定(実際の放送日なのか、映画での設定なのか不明)でゲームにチャレンジしますが、なかなかクリアできません。

ここまでは映画ではなく、完全なテレビ番組そのもの。それでもファミコンが懐かしいので、楽しめましたけれど。と、ここでいきなり1986年に話が移ります。ダイスケ(吉井一肇君)はどこにでもいる普通の中学2年生。少年ジャンプとファミコンにはまっている。

クラス1の美少女(まいど定番の役柄)クミコの気を引くために「マイティボンジャック」を貸す事を約束するが、なんと不良グループに持っていかれてしまった。さあ困った。4000円以上もするカセットをもう一つ買うなんて中学生には無理。なんとか返して貰おうと、不良グループのボスの家に乗り込む事にしたが、喧嘩で勝てる訳がない。

ここでまた2006年に。有野課長はゲームに挑戦し続けますがタイムリミット。ADに裏技を教えて貰ったりして再度挑戦することに。この後、1986年と2006年の世界が交互に切り替わります。

腕力はからきし駄目なダイスケは、妄想の世界でゲームの勇者になったり、ジャッキー・チェンの酔拳の真似をしたりして不良を倒します。しかし現実は勝てる訳がなく、目を盗んでカセットを持ち帰りますが、不良たちに追いかけられる羽目に。やがて逃げ込んだのは書店の倉庫、のはずでした。

しかしそこは2006年、有野課長の番組放送会場。20年の時を越えて、ダイスケと有野課長が対面。なんとダイスケは、会場からの助っ人として、マイティボンジャックに挑戦することに。さて、ダイスケはカセットを取り戻せるのでしょうか?有野課長は無事クリアできるのでしょうか?

■懐かしきファミコンの世界
おどけた中学生?

さて本作品を映画と呼んでいいのか、微妙な気がしないでもないですが、ファミコンの世界は懐かしく、楽しいものでした。この「マイティボンジャック」というのは全くやった事はありませんが、この映画を見て、まるで自分がクリアしたような達成感が得られるのは不思議です。

実は私もファミコンを持っていました。社会人になったばかりの頃(年齢がバレる)で、結構はまりました。でも運動神経はゼロですので、難しいゲームは無理。ごく初期の「F1レース」とか「マッハライダー」系のゲームが好み。「スーパーマリオ」にもはまりました。

でも、テレビゲームよりも、その頃流行り出したパソコンに目が行き、少ない給料をつぎ込んで、PC8801というNECのパソコンを購入し、プログラミングに没頭するようになってファミコンは卒業。

それでも、時々はカセットを借りたりして、ヒマな時間をつぶしていました。今思うと、あの頃は夢があったなあ。この映画で、その当時の夢を思い出し、ノスタルジーに耽ることができました。

■どことなく可愛げのある中学生、吉井一肇君

ファミコンゲームの話だけなら、ここに取り上げる事はありません。映画の半分は、まあ普通の少年映画でした。中学生を演じた吉井一肇君、映画「エクレール お菓子放浪記」の主演で、中国の映画祭で主演男優賞を貰うほどの演技派ですが、その存在感は健在でした。

勿論あの頃の美しいソプラノボイスは失われ、決して美少年とはいえないのですが、普通の中学生らしい、憎めなさというか、可愛げがあるのです。一見すると、映画の中でセリフや演技が目立って優れているとも思えないのですが、後になって印象に残っているのです。

ロールプレイングゲームの勇者少年のようなコスプレがなかなか良かった。もう少し見たかった気もします。またダイスケの友人役の2人の中学生、阿部考将君、松島海斗君もいい味を出していました。

■終わりに

最初は、本作品を5部(少年映画とは呼びにくい作品)に収録するつもりでしたが、吉井一肇君の中学生最後?の作品だろうと思って3部にしました。これで正解だと思っています。

テレビゲームが好きな方には、見て後悔することはないと思いますので、是非ご覧下さい。私も少年俳優は出ていませんが、テレビシリーズのDVD-BOXを見てみたい気分になりました。映画としての評価は低いかもしれませんが、自分の中では、ヒット作品でした。





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