リトル京太の冒険 (2016年)

少年映画評価 6点
作品総合評価 5点
少年の出番 100%(堂々の主役)
お薦めポイント 5年間に渡る少年の成長
映画情報など 2016年製作。2017年公開。
(写真は、主役の土屋楓君。)


2017年も半ばになり、関西地区では、ようやく1本目の邦画少年映画が公開。京都は木屋町にある元小学校の校舎をそのまま使った立誠シネマへ。教室に黒い幕を貼って作った、まるで高校の文化祭を思い出すようなシアターですが、月曜なので観客は私一人。貸切でした。

桐生の町を見下ろす山の上で。京太とティム先生。後ろから見ると京太の身長が高いのにびっくり
■ストーリー

京太(土屋楓君)は母と二人暮し。(父親の事は一切触れられないので不明)京太が小学4年生の時、東北大震災が起こり、京太は衝撃を受ける。小学校の英語のティム先生(アンドリュー・ドゥさん)も被曝を恐れて国へ帰っていった。それ以降、防災頭巾を脱げなくなってしまった。

1年後、ティム先生は戻ってきた。京太は、なぜかティム先生にまとわりつく。そして英語も必死に勉強しだした。更に1年後、京太は6年生。ティム先生のアパートに外国の若い女性がやってきた。彼女はティム先生の後任で、ティム先生は帰国するのだが、京太には伝えていない。

京太がティム先生の帰国を知った時「なぜを僕を見捨てるの」京太は山へ登っていく。

■なぜ京太は、ティム先生が好きなのか

京太は男性のティム先生に執着します。ティム先生の所にやってきた女性に嫉妬しているようにも見えます。子供ながらにLGBTなのでしょうか。いえ、実は理由があるのですが、それを書いてしまうと、この映画のネタバレになるので、今は書きません。

舞台は群馬県桐生市。私も震災前に何度か行きましたが、東北震災の影響があったかどうか判りません。映画撮影の誘致には力を入れていますので、桐生という場所に依存した脚本では無いのかもしれません。

10歳の京太。まだほんの幼児ですなあ
本作の京太。成長したけど、14歳だって?

■実は、土屋楓君、5年間も京太を演じていました

本作品の前に、短編「京太の放課後」(2012年、10歳)、短編「京太のおつかい」(2014年、12歳)があり、その完結編として、長編「リトル京太の冒険」(2016年、14歳)が作られたとの事でした。本作品の中でも、以前の短編映像が所々に挿入されています。

ええ、ちょっと待って。とすると本作の京太は14歳(中学2,3年生)ですか。そうは見えませんでした。12歳の小6だとばかり。防災頭巾を被ると、確かに幼くは見えるのですが。童顔ですなあ。

感じたのは京太の性格。意志が強く、外国人先生が相手でも、まっすぐ目を見つめて、臆することなく自分の意見を押し通すのです。日本人には稀なタイプですが、監督さんの経歴を見て納得。アメリカで活動されていたそうです。(日本人少年なら、外国人に話かけられたら、顔を真っ赤にして逃げていくのが関の山)

例によって上映館は僅かですが、もし機会がありましたら、是非ともご鑑賞して下さい。

ラスト。防災頭巾を捨てた京太。先生との別れ
立誠シネマ。元小学校の教室そのまま
(中学か高校の文化祭を思い出すつくり)






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