妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン! (2016年)
少年映画評価 |
6点 |
作品総合評価 |
3点 |
少年の出番 |
100%(堂々主役。本人は活躍しないけれど) |
お薦めポイント |
アニメと実写が入り混じっても違和感なく |
映画情報など |
2016年公開。BD/DVD発売中 (写真はケータ役の南出凌嘉君) |
人気アニメですのでCMやビジュアルなどは勿論知っていましたが、見た事はありませんでした。2016年の劇場公開時、さすがオッさん1人で入る気はせずレンタル待ち。ブルーレイをと思っていたのになぜか近隣の店は無し。仕方なく(かなり経ってから)ブルーレイを購入してしまいました。
どういう訳か日本のアニメの主人公の少年に美形は少ないのです。藤子不二雄氏のせいかなと。オバQ、パーマン、ドラえもんなど、どこにもいるような等身大の少年が主人公ですが、ルックス的にはパッとしない子ばかり。でもそれが多くの視聴者に親しみ易くてウケたのでしょうけれど。
いつのまにかアニメに止まらず子供番組は「主役少年=3枚目、ヒロイン=美少女」という図式が定着。スポーツやバトル系アニメの少年は3枚目ではないものの可愛くはありません。そんな中、妖怪ウォッチの主人公ケータはなかなかの美形キャラ。なので実写化には興味がありました。
日本アニメでもTV創世記の少年たちは美形。特に手塚治虫氏の描く少年は色気がありました。アトム、ソラン、パピィ、ロビン、サスケ...(知らんでしょうな)。また外国人が主役のアニメの少年も美形。ネロ、スターリング、マルコなど
妖怪を退治し、バレリーナの少女を見上げるケータ。いい表情です。(最後に近いシーン)
■ストーリー
ケータ(声:戸松遥)がウィスパー、ジバニャン(パートナーの妖怪たち)と歩いていた時、空に巨大なクジラが現れたかと思うと別次元の世界にワープ。そこはこれまでの2D(平面的なアニメ)ではなく。3Dの世界。ケータも実体化(南出凌嘉)し、妖怪たちもCG化。ケータは「なんだコレ」と自分に違和感を感じる。
3D世界は基本的には2D世界と同じだが、行きつけの駄菓子屋が病院に変わっている。そして病院の屋上には一人の少女が。少女は将来を有望視されていたバレリーナだったが事故で挫折。その悔しさと屈折した想いが怪物を呼び込んでしまった。しかし少女が大切にしていたコアラのヌイグルミは妖怪化しケータたちに助けを求めてきた。
クジラの怪物の悪の力は強くなるばかり。コアラは2Dと3D世界をワープできる能力を持っており、ケータと妖怪たちはこの能力も駆使しながらクジラの怪物を退治し、バレリーナの少女を救おうと...
■ケータはヒーローではない...ただ見てるだけ
「子供向けアニメといえども侮るなかれ」とはよく聞きます。実際にはびっくりする程の感動作もあるようです。しかし本作品はストーリーではなく妖怪などのバトルやビジュアルを楽しむもので、大人が鑑賞してどうのこうの言うものではありません。(ですのでいつもの辛口批評は封印)
主役のケータ少年はほぼ出ずっぱりですので少年俳優として彼の表情をしっかり鑑賞できただけで満足です。但し妖怪たちと直接戦ったり大活躍する訳ではなく、周りでピョンピョンしながら騒ぎ立ててるだけ。活躍するのは妖怪たち。(お亡くなりになりましたが染之助 染太郎という演芸師兄弟。芸は全て弟。兄は口上だけ。なのにギャラは同じ...というのを思い出しました)
それでも演じた南出凌嘉君は大熱演。特に表情の変化が素晴らしく、アニメのケータとは異なる魅力を出してくれました。実写とアニメが激しく入れ替わり、声はアニメが戸松遥さん、実写は南出君。同じケータなのに女声(ショタボ?)と少年声で異なるのですが、それ程の違和感はありませんでした。
戸松さんはプロ声優でTV版をずっと担当されてきて「ケータ=戸松さん」が既に定着しているようです。それを壊さないよう違和感なくセリフが喋れたのは、南出君の演技力の一つだろうと思います。
なお、山崎賢人さん、斎藤工さん、武井咲さんといった若手の超人気俳優も出演されていますが、特にここで書くほどの活躍はありませんでした。メイキングなど特典映像では活躍されておられましたけれど。
実体化したケータとウィスパー
(実体化という言葉は不適当なんですけれど)
憧れのフミちゃんも実体化
(こっそりケータの耳元で「後でね」と)
クラスメートのカンチも実体化
(彼の出番は残念ながらワンシーンだけ)
コアラのヌイグルミが妖怪化
(どう見ても「損保ジャパン」のコアラです...)
ケータ唯一の見せ場でしたけれど
(オリハルコンの剣じゃ!...古いですかね)
特典映像のメイキングから
(武井咲さんと並んでも見劣りしませんなあ...)