雨のやむとき (2019年)
少年映画評価 |
6点 |
作品総合評価 |
5点(最後が中途半端) |
少年の出番 |
100%(主役。ただ年齢は高めかも) |
お薦めポイント |
母親や少女に振り回される気弱な男子中学生... |
映画情報など |
PFFアワード2019 準グランプリ受賞 (写真は滝田匠君) |
PFF(ぴあフィルムフェスティバル)の2019年準グランプリ受賞作品という事で、スカパー241で放送。このチャンネルはスカパー契約者におまけでついてくるものですが、PFFやndjcなどの若手映画監督作品を放送してくれる貴重な放送局。
監督は山口優衣さん。日大芸術学部の卒業制作との事。最近のPFFには少年映画が少なく本作品もノーチェックでした。予告編をみた時もセクシーでアイドルっぽい美少女が主役と思っていました。でも意外にも男子中学生の方が主役。28分の短編ですが、機会があればご覧になって下さい。
中学生のコウタは同級生のリカに呼び出され、夜の雨の町を歩く。
(母親の再婚。転校。不幸...コウタの目は死んでいる)
■ストーリー
中学生のコウタ(滝田匠)は両親が離婚。母と2人で引越してきた。中学では友だちもいない。一方リカ(狩野ゆま)は美少女でクラスの人気者。しかしリカも両親が離婚。再婚した父に引き取られたが、新しい母や姉妹に邪魔者扱いされていた。
大事な漫画を母に捨てられそうになり、コウタは漫画を持って外へ飛び出した。たまたま会ったリカが声をかけてきた。それ以来リカはコウタに話しかける。リカの取り巻き連中は、またリカのきまぐれ。コウタをおもちゃにしているだけ..と冷ややか。
コウタの母が再婚のため引越すと言う。コウタは母に従うだけ。引っ越す前の雨の夜。リカに呼び出された。しぶしぶ出かけたコウタだったが、もう家に帰らないというリカの言葉に...
■流されていく中学生の少年...
28分ですから起承転結を描くのは困難だとは思います。ただ最後は余韻を残したとも言えますが、尻切れトンボで終わってしまった印象も。少女が家に帰りたくない。少年もそれにつられて帰らない。雨上がりの夜の町へ消えっていった...(ある意味ホラーですなあ...)
主人公の中学生コウタ。両親が離婚。去っていった父親はコウタにとってどんな存在だったのでしょうか。DVを繰り返すクソ親父ならすっきり。でもコウタにとって大切な人間だった瞬間もあったのでしょう。漫画は父親が残していったものでしょうか。
母親は情緒不安定気味。コウタを愛しながらも、男性がいないと生きていけないタイプ。新しい恋人を家に連れてきましたが、一見して不幸な結末が見える浅薄な遊び人。こんな男を父と呼ばないといけない。でもコウタに選択肢はない。そういう意味ではリカと一緒。帰りたくない。
主役を演じた滝田匠君。最初のシーンで膝頭が見えるハーフパンツ。かなり毛深いのです。実齢はずっと上かと思いましたが、所々でみせる表情は中学生。相手の狩野ゆまさんが美少女なだけに、かなり地味に見えるのが残念。でも印象に残る少年俳優でした。
大事な漫画を捨てると言われ、思わず漫画を持って...
(写真では判りにくいのですが、すね毛が濃い...)
漫画を持って鉄橋の下へ。電車の轟音に...
(中学男子の定番は半袖シャツ。いつの間に着替え?)
鉄橋の下で同級生の美少女リカと会った。
なぜかそんなにイケメンでもないコウタに好意を...
遅くなって帰宅。母は心配で泣いていた。
(シャツのボタンを1番上までとめるのがダサ可愛い)
夜遅く、酔った母が男を連れて帰ってきた。
新しいお父さんよ。どうみても遊び人だった...
雨の夜。リカが会いたいと。コウタは出かけた。
繁華街でそれなりに楽しむコウタだったが...
ゲームセンターで補導員を装った男が...
「キミ可愛いね」固まってしまったコウタ
雨がやんだ。私は家に帰らない。俺も...
夜の町をあてどなく歩く2人。ここで映画は終る。
(某事件の監視カメラ映像が思い出され...)
※後記
雨の夜。中学生の男女がゲームセンター。女子は美少女。おまけに超短いホットパンツに長い脚。これはナンパされる(襲われる)と思ったら。なんと狙われたのは男子。このピンチを助けてくれたのが美少女。(2015年に大阪で起きた中学生男女殺人事件が思い出されて後味が悪いのが残念。)