宿木 (2013年)
少年映画評価 |
6点 |
作品総合評価 |
5点 |
少年の出番 |
ほぼ100%(主役) |
お薦めポイント |
少年の乗った車に不気味なホヤが襲いかかる... |
映画情報など |
2013年、仙台短編映画祭にて上映。 (写真は佐々木雅仁君) |
映画『宮本から君へ』などで高い評価を得ている真利子哲也監督。その初期短編映画集が日本映画専門chで放送されました。真利子作品はどれも暴力の匂いがきつく、あまり好きではありませんでした。その中で本作は15分の短編ながら少年俳優が主役。貴重な作品かもしれません。
ラストシーン。ユキオが向かった先は...
父親がどこからか大量のホヤを貰ってきた。息子のユキオ(佐々木雅仁)はどうしてもホヤが食べれなかった。翌朝まだ暗い時間に父が電話で話す大声で目が覚めた。父はユキオを車に乗せた。ビニール袋一杯のホヤと一緒に。そして夜明け前の仙台を乱暴な運転ですっ飛ばす。途中でホヤは捨てた。
車は駐車場で止まり父は出て行った。父の料理したホヤを食べなかった罪悪感が広がる。自分も捨てられるのか....その時、車に無数のホヤが降ってきた。フロントガラスを叩く無数の白い手も。泣き出したユキオ。そこへ父が戻ってきた。早く来い、もうすぐ生まれるぞ! そこは病院だった。
■ホヤが気持ち悪くて...
映画冒頭、父親がホヤをさばきます。これが結構グロいのです。エイリアンなのか、人間の内臓なのか。そりゃ8歳の子供には無理かもしれません。私の住む関西ではあまりお目にかからない料理です。数回は食べた事がありますけれど。
ネットの解説では、ホヤを食べなかった事で神様を怒らせてしまったとユキオは思い込んだ事になっています。車に1人残ったユキオに怪異現象が起きたのは神様の怒り。もちろんユキオの幻想です。
ユキオの父親。ホヤを捌く包丁。伸びた髭。荒々しい言葉。やはり暴力の匂いがプンプン。ユキオへの児童虐待なんてお手のもの? いえいえ。妻が出産で入院中で気を揉んでいただけ。ユキオに対してもごく普通の父親です。でも真利子監督なので、つい暴力っぽくみえてしまうのが...
ユキオ役の佐々木雅仁君。セリフは一言もありません。しかし迫真の表情が印象に残ります。実は児童劇団等に所属していない全くの素人との事。泣く演技は無理なので、監督やスタッフが彼を追い込んで?本当に泣かせたそうです。やっぱり暴力的な鬼監督ですなぁ。
その朝、まだ暗いうちにユキオは出かける事に。
父は早くしろとだけ。頭の中は昨晩のホヤ...
車の中。父は何も話さない...
ユキオの胸に不安がよぎる...
父は車から出た。ユキオも外に出た。
ホヤが1つ残っていた。ユキオは車へ逃げ込んだ。
無数のホヤが降り注ぎ、白い手が窓を叩く!
(完全にホラーですなぁ...)
あまりの怖さに泣き出したユキオ
(この表情がいいので少し大きな画像にしました。監督に泣かされたのか...)
※後記
ホヤは東北、特に三陸地方の名産品。養殖もしていたそうですが震災で大被害。原発事故で風評被害も続いているそうです。気持ち悪いなんて書いてしまい申し訳ありません。今度、居酒屋であったら注文します。