エクラド (2016年)
少年映画評価 |
7点 |
作品総合評価 |
5点 |
少年の出番 |
100%(主役) |
お薦めポイント |
陳腐ですが、少年2人のスタンド・バイ・ミー |
映画情報など |
2016年、SKIPシティ国際映画際他で上映。 (写真は中田昊成(こうせい)君。) |
群馬県桐生市で製作された約17分の地方映画。今や純粋な少年映画はこうした地方の短編でしか見る事ができません。地元の映画祭で上映された後はDVD化もされず消えていくのみ。でも本作のようにyoutubeで全編公開して頂けることは本当に有り難く思います。
龍を探しに出かけたタイチとタイヨウ。ちょっと休憩してジュースを飲む
(このジュースはタイチが万引き。いけませんなぁ...)
タイヨウ(中田昊成)の両親は離婚。母と東京で暮していたが、母に恋人が出来たため、父の住む桐生市にやってきた。今日はタイヨウの誕生日。来るはずだった母は来ない。父は悪い人間ではないが、その場しのぎの嘘ばかりつく人間だと思っていた。桐生には龍がいるんだ。父さんは子供の時に見たんだ。
1人でトボトボと歩くタイヨウ。同級生のタイチ(田港璃空)が声をかけた。クラスで孤立してたタイヨウが気になっていたのだ。龍を探しに行く。じゃ俺も一緒に行く。二人は山の中を歩いていく。色んな話をした。タイチはタイヨウの背中に火傷の跡をみつけた。母の恋人が煙草を押し付けたんだ。ごめん。タイチも秘密を打ち明けた。
龍はみつからなかったけれどタイヨウの心は晴れた。父さんとお祖母ちゃんとここで暮らしていこう。
■二人の少年たちのぎこちない友情
桐生市はいい所ですよ。私事ですが関東勤務時代に何回か行きました。東京から来た転校生というだけで嫉妬するような子供がいる時代でもないと思うのですが。東京から来たタイヨウは孤立しています。それを気にしていたのが地元少年のタイチ。こんな少年がいてくれたらイジメなんか激減します。
タイチの両親は里親。でも両親は本当の事をタイチには伝えていません。でもタイチは知っています(親戚か誰かがチクった?)。そういう境遇なので人の心が判る子に育ったのでしょう。
二人が戯れていて偶然みつけた煙草の押し付け跡。それを見たタイチは思わずごめんと謝ったのが印象に残ります。秘密を悟ったのでしょう。タイヨウは両親も祖母ちゃんも嘘ばっかり。でもタイチ。その嘘は両親たちの優しさじゃない?(一枚も二枚も上ですなあ...タイチ君)
さて二人の少年俳優。まず字が難しい。昊成(こうせい)君を読めません。田港璃空(たみなと りくう)君も読めません。いや氏名はおいといて二人とも演技は達者でした。16分しかないのが本当にもったいない。せめて1時間くらいの中編が見たかった。
母と暮した東京から、父のいる桐生へやってきた。
父と祖母にタイヨウは何も答えない...
学校でも「母なし子」と言われて孤立。
そんなタイヨウを気にかけていた少年がいた。
同級生のタイチがタイヨウに声をかけた。
(かなりのイケメンですなぁ...)
龍を探しに行く。じゃあ俺も一緒に行く。
二人はあてもなく山の中に入っていった。
焚き火。その時タイヨウの背中に火傷跡が。
うろたえるタイチ。思わず「ごめん」
龍は見つからなかったけれど、どこか吹っ切れた。
(タイチという親友を得た事がタイヨウの宝に)
※後記
タイチはいい少年ですが、いけない事もします。万引き。誕生日のタイヨウのためにジュースやお酒まで。カッコつけてお酒を飲んだもののウゲェ〜と吹き出したのはご愛嬌。これは教育上よくないと思っていると、エンドロールでタイヨウの父が2人の少年の首根っこを捕まえて店のおばさんに謝らせている静止画。監督さんよく判っていますなぁ...