少年探偵団 第1部 妖怪博士 (1956年)
少年映画評価 |
B+ |
作品総合評価 |
B- |
少年の出番 |
100%(主役) |
お薦めポイント |
戦争の爪跡が残る東京。少年たちが駆け巡る |
映画情報など |
1956年公開。DVDーBOX発売中。 (写真は原国雄君。) |
2021年にスカパーの東映chで鑑賞。映像に残る最も古い少年探偵団シリーズではと思います。少年少女向け映画として1956年〜59年にかけて9作品が作られました。本作はその第1作。なんと全9作品がDVD-BOXとして発売されています。主題歌は懐かしいあの♪ぼっ、ぼっ、ぼくらは少年探偵団...
怪しい男を尾行した少年探偵団員の少年は、逆に捕まってしまった。
(地下室に閉じ込められた少年)
怪人二十面相が原子炉図面を盗むと予告。明智探偵が対応する。少年探偵団は明智探偵を補佐する。団員のひとり相川君(原国雄)は怪しい男を尾行して謎の洋館へ入るが男に捕まった。しかしその夜、相川君は戻ってきたが様子がおかしい。実は相川君の父は原子炉の技師長で図面を保管していた。
相川君は父の図面を盗んで姿を消した。他の団員が相川君の足取りを追う。一方、英国帰りの探偵という男が現れて事件を解決すると宣言、明智探偵と対決する。しかし明智探偵は謎の洋館へ急行。男が二十面相である事をあばき、相川君を救出し、図面も取り戻すが、落とし穴に落ちて窮地に。ここで第1部は終了。
映画ですが、連続活劇の時代
当時最先端の少年ファッション
上映時間は58分。当時の子ども達は手に汗にぎって鑑賞。最後は二十面相をやっつけたと思ったら、明智探偵が窮地に陥ったところで終り。次作をお楽しみに。これはストレスが残りますね。テレビは普及していなかった時代。映画もこうやって観客を引っ張っていたのでしょう。
1956年の東京が映っています。これが興味深いのです。山手線の鶯谷駅から線路を渡って上野公園。まだまだ戦争の跡が残っているような感じ。そして少年探偵団のメンバー。当時としてはお上品なお坊ちゃまの服装でしょうか。
本作の主役は小林少年ではなく相川君という少年。演じるのは原国雄(原國雄)さん。Wikipediaでみると少年探偵団シリーズはじめ、多くの作品に出演していた売れっ子のようです。♪勇気凛々、るりの色という歌詞が似合いそうなシューっとした少年です。
本作の少年探偵団は本当に少年だけ。女子はいません。これがいいですね(何を言うか!と怒られそうですけれど)。時代が進むにつれて少年探偵団に少年が少なくなり、令和の時代にはお兄さん、オヤジしかいない少年探偵団も。本作をみて原点に戻って欲しいものです。
少年探偵団キャスト。トップは原国雄君。
(全員少年です。なぜか安心します...)
少年探偵団の面々。後姿が小林少年。
(この第1部は原国雄君演じる相川君が主役)
尾行して怪しい男は、
謎の洋館に入っていった。
相川少年も洋館に忍び込んだが、
怪しい男に捕まってしまった。
怪しい男に連れ去られる。
相川少年を担いで逃げる男。
姿を消した相川少年を探そう。
団員たちが怪しい男を追う。
明智探偵に救出された相川少年
明智探偵の腕に抱かれて...
にこっと笑いかける。
(いいシーンですなぁ...)
※後記
連続活劇というのは営業手段。これは当たり前です。私が入社した頃、大先輩からもっとあくどい話を聞きました。テレビが普及し始めた頃、町の電気屋は宣伝のためにテレビを貸し出していたそうです。貸したテレビを回収に行くのは夜6時から7時頃。子供番組の真っ最中。テレビを持って帰ろうとすると、子どもがギャーっと泣き喚くのです。親はしぶしぶ「買うから」と...本当に嫌な役回りだったとか。