池島譚歌 (2013年)
少年映画評価 |
B+ |
作品総合評価 |
B− |
少年の出番 |
90%(最後の20分間は少年ではありませんが) |
お薦めポイント |
閉山した炭鉱の島。少年たちの思いが切ない。 |
映画情報など |
2014年公開。Amazon Primeで配信中。 写真は田中達也君。 |
最初にお詫びです。本作品はずっとお蔵入り作品のコーナーで情報を求めていましたが、作品名を『池島讃歌』と表記していました。正しくは『池島譚歌』でした。(譚歌とは物語性を強調したバラード。讃歌は何かを褒め称える歌。)
念願叶ってAmazon Primeで有料鑑賞する事が出来ました。1時間56分の長編ですが、正直言って1回目は苦痛でした。セリフ棒読みなのに何をしゃべっているのか聞き取れず。音声が酷いのは私のPCのネットワークのせいかもしれませんが。2回目になってやっと物語が理解できました。
夏休み。願いを叶えるために炭鉱跡の探検に出かける少年たち。左からシズミ、リンタ、そしてリョウイチ。
九州の池島に住む小学生のリョウイチ(田中達也)は母子家庭だが母が行方不明になって1人で暮していた。夏休み。友人のシズミ(田島竜斗)、リンタ(高木翔慶)と島の伝説の神様タンコロボックルを探して廃坑を探検する。そこで不思議な女性ホノカに出会った。ホノカの正体は不明だが、リョウイチの母を一緒に探してくれた。
さらに変なオヤジも出現。池の鬼というらしい。リョウイチたちに本当の事を教える。母は洪水で死んだ事、ホノカは母の化身である事。リョウイチはその話を拒否するが、やがて決心した。一方、池島を取材した記者がリョウイチの事を記事にし、それを読んだ父親がリョウイチを迎えにきた。
とにかく監督さんの熱い思いがギッシリ詰まった作品。ただそれを表現し切れていないもどかしさも多々あります。子役さんのセリフ練習時間、音声録音などの技術的なもの。最後の20分以上にもわたる故郷凱旋シーンも不要とはいいませんけれど。もう一度リメイクして欲しい。そんな感じです。
主人公のリョウイチの母は半年前に失踪。一人で炭鉱住宅で暮す10歳の少年。友人リンタの両親など近隣の人が食事を世話してくれますが、島の厄介者と辛く当たる住民もいます。毎日フェリー乗り場にやって来ては母がいないか確かめに来る少年。まるで♪岩壁の母 ならぬ 岩壁の少年
トモコという少女がリョウイチに優しいのですが、彼女の兄はリョウイチを毛嫌いして腹を殴るなどの暴行。毎日港で母を探すような少年によくこんな事ができますね。クズ人間としか思えません。ただ島を出て大人になってからリョウイチとトモコは結婚します。紆余曲折はあったようですけれど。
リョウイチが友人たちと炭鉱の冒険。まるでスタンド・バイミーの世界が始まると期待していたのですが、ホノカという女性の出現で、少年たちの夏の旅は幻に。友人のシズミとリンタ2人だけで廃墟を探索するシーンが数分間。ここだけが少年映画の味わいでした。
最後に変なオッサン。少年映画にはこの手のオヤジが結構登場します。実はタンコロボックルで人間ではありませんでした。ちょっと安易な脚本。アイヌの伝説の小人コロボックルに、炭鉱を掛け合わせたような安易なネーミング。まあいいじゃありませんか。皆様もAmazon Primeでご覧になってみては。
学校が終わると必ずフェリー桟橋へ走っていく。
母の帰りを待つ。♪もしや もしやに...
なぜか石炭が1個出現した。誰が置いたのか。
シズミやリンタのところにも出現した。
友人のシズミ(志津己)も出現した石炭をみて考える。
タンコロボックルの仕業じゃないだろうか...
炭鉱跡を探検してタンコロボックルを探そう。
これぞ少年たちの夏と思いきや、謎の女性が現れて...
リョウイチの家へやってきたシズミとリンタ。
変なオッサンがいた。タンコロボックスの化身?
(シズミは結構イケメンです。一人だけ声変り)
父と一緒に島を出る事にしたリョウイチ。
親友リンタとハグ。もちろんシズミとも。
でも密かに恋するトモコには何も言えなかった。
タンコロボックルの話は本当だろうか。リンタ,シズミ、トモコはリョウイチを思いやる。
※後記
映画ですので角を立てても仕方ありませんが、行政や警察は何をしているんでしょう。母が失踪して半年。少年に何の保護や支援もなし。さらに母は失踪ではなく洪水で亡くなった事を一部の人は知っていたようですが、事件にもせず。これはおかしいですね。
さて映画とは全く関係ない話。Amazon Primeは送料無料と、本のPrimeリーディングだけしか使っていなかったので、有料のPrimeビデオは初めて利用しました。私の自宅は光回線とはいえ古くて通信環境が不安なだけに、鑑賞は結構ストレス。やっぱり昔ながらのディスクメディアがいいなと。こんな事では時代に取り残されてしまう...