Coo 遠い海から来たクー (1993年)
少年映画評価 |
B+ |
作品総合評価 |
B+ |
少年の出番 |
ほぼ100%(アニメですけれど) |
お薦めポイント |
南太平洋の島で暮らす12歳の少年。声優も少年が担当。 |
映画情報など |
1993年、公開。VHSビデオ絶版。 写真は主役のヨウスケ(声は山崎裕太君) |
景山民夫氏の原作小説は第99回直木賞受賞作品。日本テレビ開局40周年記念で映画化。その後VHSビデオやレーザーディスク(知ってます?)は発売されたものの、BDやDVD化はされていませんでした。2023年になってWOWOWで放送。ようやく念願が叶って鑑賞出来ました。
美しい浜辺。ヨウスケは不思議な生物を見つけた。
12歳のヨウスケ(声:山崎裕太)は海洋生物学者の父と南洋フィジーの島で暮らしている。母は亡くなった。父は島で海洋生物の研究。ヨウスケは海辺で不思議な生物を拾った。どうやら古代の恐竜プレシオザウルスの子どもらしい。ヨウスケはクーと名付けて飼い始めた。クーは生まれて最初に見たヨウスケを親と思い込んでいる。
島へ出入りする業者からクーの存在をフランス政府が知った。核実験の障害になると判断して特殊部隊を送る。一方、その情報を察知した女性活動家が島にやってきてヨウスケと父に警告するが、特殊部隊にクーを奪われた。しかしヨウスケは軍艦に忍び込んでクーを奪い返す。軍艦はプレシオザウルスの群れに包囲されていた。
原作者の景山民夫は元々は放送作家。私は小説は読んだことはありませんが、ちょっと普通ではないというか、エキセントリックな作風だと思い込んでいました。クーのような海洋冒険少年物語も、どこか一筋縄ではいかない毒気があるのでは。そう思って映画も敬遠していました。
それでも見たいなあと思った頃には既にビデオも絶版。なかなか見れませんでしたが、ようやくWOWOWで鑑賞。思ったよりも素直でストレートなストーリー。拍子抜けとまではいきませんけれど。でもフランス人が見たら怒るかも。とはいえ南太平洋に今でも植民地を持ち、美しい海で核実験を行う国。自分の国、例えば南仏のニース沖あたりでやりなさいよ。
おっとそんな話は置いといて。主役のヨウスケ役の声。ちょっと掠れる感じもあり、美声とはいいませんが、少年ど真ん中の声。担当していたのは山崎裕太さん。ええあの悪ガキ風の子役さんが、こんな素直な少年役?似合わんなあ...それが第一印象。
でも流石に百戦錬磨?のプロ子役。映画後半ではすっかり役に馴染んていました。女性の声優さんなら、もっと綺麗にまとめられたのかもしれませんが、やはり少年の声は少年が一番。(あまりに幼い子の場合は、女性の声優さんの方がいいと思うこともあります)
Wikipediaによりますと、実写化の企画もあったそうです。いやー実写映画を見たい。でも当時ならセットや特撮、造形などに巨額が。今ならCGの進化である程度は。でも少年が主役では経費が回収できない。少子化日本の悲しさですね。このアニメが残っているだけでも有難いと思わなければ。
ヨウスケは毎日、別の島にある小学校へ通う。
(小学生でジェットスキー通学とは羨ましい...)
拾った生き物はプレシオザウルスの赤ちゃん。
海洋生物学者の父も最初は判らなかった。
活動家の女性が闖入。襲撃に備えるよう指示。
キャシー小野という日系ハーフ。超美人。
特殊部隊に反撃も虚しくクーは奪われた。
ヨウスケや父は殺されも拉致もされない。ここは甘い。
ヨウスケは軍艦に忍び込み、クーを助けた。
クーとヨウスケはお互いにテレパシーが通じた。
軍艦の周りにはプレシオザウルスの群れが出現。
核実験への抗議行動なのか。クーも救われた。
ヨウスケは海に飛び込んでクーと最後のお別れ。クーは群れと一緒に去っていく。これでいいんだ...
※後記
景山民夫さんの印象といえば、晩年に某新興宗教に入信され、批判的な記事を書く雑誌社などに対して、攻撃的なスピーチやデモをされていたこと。どうしても引いてしまいました。BDやDVDが発売されないのも、それが影響しているのかもしれません。