リアル鬼ごっこ ライジング (2015年)
作品評価 |
(1話)後味が悪い。少年俳優ばかりですが。 (2話)意外に好きな作品。少女2人が主役ですが。 |
少年の出番 |
(1話)主役です。(出ずっぱり) (2話)準主役です。(少年は半分ほど。) |
お薦めポイント |
少年たちの無邪気さと狂気の世界。 |
映画情報など |
全3話。2015年より各種配信サイトで配信中。 写真上は1話主役の竜跳君。下は2話の横山幸汰君 |
原作は人気作家の山田悠介氏。これまでに映画6本、連続ドラマ、漫画、パチンコまで幅広い媒体で展開されています。今回レビューするのはネット配信のみの作品ですが、映画と分類しました。3人の監督が製作した3話構成となっていますが、少年俳優が登場する1、2話だけをレビューします。
(1話)廃校内で、殺人犯を「鬼」として鬼ごっこが始まった。指揮を取るのはリーダーの少年。
笑みを浮かべながらマイクで小学生たちに指示を出す。サイコパスなのか。
(2話)家出して行方不明の少女(左)が廃工場内にいた。少年はカメラの画面を見せる。
少年はなぜ、うろついていたのか。カメラを持っていたのか。これは判らない。
■1話 佐藤さんを探せ!
小学生の輝男(竜跳)、想流(川口和宥)、圭吾(篠田涼也)の3人は廃校に忍び込んで荒らしまわっていると、指名手配犯の佐藤という男が潜伏していた。3人は佐藤を一旦捕まえるが放した。佐藤を鬼に見立てて鬼ごっこを始めるためだった。他の小学生数十人も加わってエンドレスで残酷な鬼ごっこが始まった。
■2話 佐藤さんの逃走!
中学生のマリカ(染野有来)は家出して一人で廃工場にいた。ある日、頭に角が生えた少女(萩原みのり)が出現。2人は親密になり、まるでセックスのように抱きあう。そこへカメラを持った佐藤という少年(横山幸汰)がやってきた。マリカは佐藤にも興味を惹かれるが、鬼少女が嫉妬して襲いかかった...逃げる佐藤君。
山田悠介さんの小説には、少年が主人公のサスペンスやホラーが結構ありますので、かなり読んでいます。しかし本作「リアル鬼ごっこ」など、不条理ゲームっぽいものは敬遠していました。映画やドラマも見ていません。ですのでリアル鬼ごっこの世界観は理解できていません。
とにかく「佐藤」という姓の人間を抹殺する。それもゲーム仕立てで。話が進むと血液型Bの人間を抹殺するとか、女子高生を抹殺するとか。どんどん荒唐無稽になっていくそうです。その世界の前日譚が本作という位置付け。
1話 佐藤さんを探せ!
見るきっかけは、映画『ショートホープ』主演の竜跳君の演技が見たかったこと。これだけ。とにかくこの映画のDVDも配信もありませんので、素晴らしい演技だった竜跳君の作品を探していたのですが、2024年になって配信されている「リアル鬼ごっこライジング」を見つけたのでした。
「ショートホープ」の1年後ですので、まだ少年俳優ど真ん中なのですが、クソガキ役なのが残念です。大人の殺人犯をオモチャにして遊ぶような恐ろしいクソガキ。そして竜跳君が演じた少年が後の専制君主になるとのテロップ。他の2人の少年の将来もテロップが出ますが悲惨。
これを見て思い出したのが1984年の米映画『チルドレン・オブ・ザ・コーン』。やはり子供たちが大人を生贄にして殺戮する後味の悪い作品。原作はスティーブン・キング。山田悠介さんの作品にはスティーブン・キングへのオマージュの匂いがするものがあるだけに。
2話 佐藤さんの逃走!
廃工場にひとりいる美少女。この静かなシチュエーションがいいのです。汚れた鬼の人形を拾った少女はそれを大事にする。人形の化身のような美少女が出現。会話はなくても二人は愛し合う。そして大胆にも組んずほずれつで抱き合う。少女同士のこんなシーン、よく撮りました。私も思わず興奮しそうに...
鬼少女は感情が高ぶると角から真っ赤な血が滴ります。その血を美少女が舐めるのです。これって完全にセックスを表現しているのでは。この2人の関係に少年が入ってくる余地はないのではと思っていましたが、少年が登場。あんたおじゃま虫なのよ、と思わず突っ込んでしまいました。
とはいえ演じた横山幸汰君。声変わりが始まったばかりの少年の雰囲気が抜群。美少女が彼にも関心を寄せるも判る気がします。少年は家出した美少女を探すポスターを持っていました。探しに来たのでしょうか。しかし彼の名前は佐藤。これが「リアル鬼ごっこ」の展開にどうつながるのは判りません。
(1話)小学生3人組。左から想流、輝男、圭吾。
リーダーは真ん中の輝男。廃校に忍び込む。
(1話)変な男を発見。殺人で指名手配犯だった。
(竜跳君は本当にイケメンです)
(1話)他の小学生たちも呼びつけて鬼ごっこ開始。
捕まえるのが目的なく、追いかけるのが楽しみ...
(1話)輝男は45歳で首相。憲法を変えて専制君主に。
(2015年といえば、あの方の息子さんがモデル?)
(2話)少年は持っていたお弁当を少女と鬼少女に。
一人では食べきれない量のお弁当を持っていた。なぜ?
(2話)取り乱した鬼少女は角で少年を突き刺した。
この時は落ち着きを取り戻したのだが...
(2話)次第に3人は親密になっていくように思えたが。
(笑うとまだまだ幼い横山幸汰君)
(2話)鬼少女は何者なのか。急に恐怖をいだく少年。
少年は逃げたが、少女と鬼は入れ替わったのか。
※後記
ちなみに3話「佐藤さんの正体!」は女子高生モノ。女子高生が女子高生をストーカー。日本のホラーの大半は、女子中高生モノといって過言ではありません。◯◯◯48とか◯◯◯坂などに所属する方がヒロイン。例えば怪談新耳袋シリーズ。これを何度か配信で見たのですが、出演は女の子が9割以上。それだけ需要があるから仕方がありません。