山のあなた〜徳市の恋〜 (2008年)

作品総合評価 5点
少年の出番 20%(ほぼ端役)
寸評 昔懐かしい旅館の世界を味わう
【少年映画でない理由】主題・視点が少年でない事
映画情報など 2008年公開/DVD発売済(写真は広田亮平君)


2008年5月32日、ワーナーマイカルシネマ大日(大阪)にて鑑賞。

地元のシネコンで映画「山のあなた」を観ました。子役の広田亮平君の演技に注目していましたが、それなりに出番は多かったものの、残念ながらあまり印象には残りませんでした。脚本が戦前の映画そのままですから、期待しても仕方ありませんが、その意味では「戦前の子供」そのものでしたから、彼の演技力は大したものだと思います。

■ストーリー

盲目の按摩である徳市(草なぎ剛さん)と福市(加瀬亮さん)が温泉場にやってきて、湯治客相手に按摩の営業を始めた。東京から湯治にやってきた女性に、徳市は恋心をいだく。また湯治客の実業家の息子(広田亮平君)は、盲目だと侮って徳市にちょっかいを出すが、とても相手にならない。やがて湯治シーズンが終わると、客も按摩たちも去っていく。

■戦前らしい、まったりしたお話

パンフレット(600円)を購入しましたが、これ、広田亮平君の事は全く無視。本当にパーフェクトに無視。写真やプロフィールこそありますが、キャストでは4番目で、出番もかなりあるのですから、広田君自身のコメントとか、監督や共演者からみた子役・広田君のエピソードなど、少しくらい書いてくれても、罰は当たらないと思うのですが。

パンフレットの隅から隅を見渡してもプロフィール以外は、写真はあれど名前は一切出ていません。戦前、戦後の日本映画の黄金期と言われた時代、俳優は映画会社の所有物で、子役に到っては犬や猫と同じで調教して使う動物や小道具ぐらいの扱いだったとも聞きました。そんな悪弊までリメイク(カヴァー)してしまったのかな。

さて、広田君は置いといて、映画としてはどうだったかというと、これまた、少し疑問が。入湯料1000円でゆったり癒されて下さい、とか「こころの映画」などのキャッチコピーから、もっと静かな映画だと思ったのですが、ドタバタとやかましい映画でした。

TVの旅番組などで、レポーターがマッサージされたり、鍼灸や足ツボ治療を受けたりするシーンは結構好きです(自分がマッサージされているような気がして)。この映画では伝統的な按摩の手技が堪能できるのでは、と思っていましたが、ほんの少しだけで、下らないギャグの方が多く、少しも癒されません。

按摩の方々の描写もこれでいいのでしょうか。視覚障害者を茶化しているようで、少し不快感も残ります。辛口になってしまいが、それでも1000円ですし、観て損する事はありませんので、お時間があれば鑑賞して下さい。






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