ブタがいた教室 (2008年)

作品総合評価 2点
少年の出番 50%(はっきりいって女子児童中心)
寸評 教育とはこんなものですか?
【少年映画でない理由】エセ・ドキュメンタリー
映画情報など 2008年公開/DVD発売済
(写真は、殆ど注目されなかった北村匠海君)


2008年11月16日、なんばパークスシネマ(大阪)にて鑑賞。

最初は見ないつもりでした。教室を舞台にした作品は、2002年フランス映画の「ぼくの好きな先生」というドキュメンタリー映画があり、地味な内容にもかかわらずフランスでヒットし、日本でも結構観客が入ったように覚えています。それを真似した訳でもありませんが、日本でも「トントンギコギコ図工の時間」なんてドキュメンタリー映画が作られました。

これらの作品はドキュメンタリーであることに価値あったのだと思います。しかし本作はドキュメンタリーではなく、大阪の小学校で実際にあった話をドキュメンタリー風に作ったドラマな訳です。(悪い言葉でいえば、エセ・ドキュメンタリー)

■ストーリー

小学校に赴任してきた若い教師(妻夫木聡さん)が、課外活動(ゆとりの時間?)として、クラスで豚を飼うことにした。しかも大きくなったら食べる事を前提として。児童たちは子豚をPちゃんと名付けて可愛がる。1年が過ぎ、食べることになったが、児童の間で論争が巻き起こる。

■口の達者な女子児童に辟易

この映画の売りは、教室で飼っているブタを食べるか、食べないか、子供達が真剣にディベートをするシーンです。ディベートというより、単に感情をむき出しにした言葉が耳につきます。特に女子児童の方が口が悪い(今風にいえばムカつく)のには参りました。でもこの映画からディベートのシーンを取ると、何も残りません。

もう一度言いますが、ドキュメンタリーはドキュメンタリーであるからこそ意味があるんだと思います。パンフレットには「子役たちに台本を渡さず、自分達の意見を素で発言させた」なんてことが書かれていますが、そんな中途半端な事をして何の意味があるんでしょう。虚しく思えてなりません。そんなことをするなら、きちんと脚本を書いたドラマにして欲しかった。

結局、この映画は何の意味があったのでしょう?私にはわかりません。確かに話題になりましたし、先生を演じた妻夫木聡さん、26人の子役たちなどキャストの方々の熱演は素晴らしかったと思います。でも映画としては、納得いかない点があります。

今の業界では作品意図なんてどうでもよく、どんな話でもネタにして、話題になれば勝ちなので仕方ありません。私も決してそれを否定している訳ではありません。それだって映画の目的の1つでしょうから。

最後に蛇足ですが、1つ気になった点があります。転校してきた女子児童役の少女がいるんですが、彼女だけ他の25人とは演出が違うんですね。他の25人はあくまでドキュメンタリー風に撮影しているのに対し、彼女だけは役者としてお芝居をしている感じで撮影されているのです。

監督さんのお気に入りの少女なのでしょうか。ちょっと違和感も感じますが、これはこれでアリでしょう。もちろん少年も大勢出演しています。一番期待していたのが北村匠海君でしたが、残念ながら殆ど出番なし。これは少年映画とは認定できませんでした。






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