まほらの糸 (2010年)

作品総合評価 6点
少年の出番 20%(なかなか印象は良し)
寸評 孤独な高齢者の淡い夢、趣は深い。
【少年映画でない理由】出番が少ない事
映画情報など 2010年公開/DVD未発売


2010年10月17日、第七藝術劇場(大阪)にて鑑賞。

この映画を鑑賞する前日、何気なく第七藝術劇場のホームページを見て知ったもので、本当にノーマークでした。「まほらの糸」というタイトルからどんな映画か全く想像がつきませんが、ストーリーを読んで、ちょっと興味がわき、阪急電車で十三へ。

上映50分ほど前に映画館へ着きましたが、整理番号は久し振りの1番。なんでも1番とは嬉しいですね。でも観客がいるのか心配でしたが、最終的には20名くらいはいたでしょうか。空いていて快適でした。(この映画館、最前列の更に前に補助椅子を並べていて、邪魔で仕方なかったのですが、今日行くと、それが撤去されていて、本当にすっきり。)

■ストーリー

主人公は出版社が倒産、そのまま定年、妻に蒸発された老人、雄吉(うだしげき氏)。何もすることがなくブラブラ自転車に乗るだけが趣味。ある日、不思議な少年(横山龍之介君)と出会う。少年は自分の事を「ムー」と呼んでほしいと話しかけてきた。

さらに「文明により秘密基地がなくなってしまった」などと訳の判らないことをいう。雄吉は少年に興味を持ち、秘密基地に案内してもらう。やがて少年の姉、祖父とも交流が始まった。そして、あろうことか、少年の姉に恋してしまった。(じいちゃん、年の差を考えなよ)

■所感など

このストーリーだけを見ると、少しワクワクと期待するかもしれません。でもメリハリが少なく、ちょっと期待外れでした。まず、デジタルビデオ特有の質感のない画面、手振れもあり、これでドラマを作るのは無理がある気がします。ドキュメンタリーならまだしも。

少年役の横山龍之介君、写真では大人びて見えますが、中学1年生くらいでしょうか、まだ声変りしていないソプラノ声でした。不思議めいた美少年ぶりは、アップで撮られるシーンも多く、ルックス的には適役だろうと思います。

ただ、はっきり言ってセリフは小学低学年レベル(ごめんね)。もっと練習しないといけません。こういうことを考えると、多少擦れていようが、幼い時から児童劇団で育った子役のほうがいいのかな、なんて思います。

カンヌでグランプリ「殯の森」で主演した、うだしげきさん、やっぱりセリフ棒読みにしか聞こえませんでしたけど。それでも、うださんが若い女性と絡むシーン、どことなくユーモラスで面白かった。また、真っ暗な秘密基地の中で少年と対面するシーンも、ちょっと刺激的でした。

さて、この映画のモチーフ「朝起きてなにもすることがなかったら。生きているのやら死んでいるのやら」これって悩みなんでしょうか。今の仕事の追われている自分からみれば、パラダイスのように思えるのですが。でもそんなものかもしれません。






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