GANTZ Perfect Answer (2011年)

作品総合評価 4点
少年の出番 5%(少しだけ)
寸評 前編の方が面白い
【少年映画でない理由】出番が少ない事
映画情報など 2011年公開。DVD発売中。
(写真は松山ケンイチさんの弟役を演じた千阪健介君)


2011年4月23日、布施ラインシネマ(東大阪)にて鑑賞。2月に前編を見て、楽しみにしていた後編ですが、いよいよ昨日から公開。大阪は朝からあいにくの雨。公開初日なので、混雑を避けて、ここなら空いているだろうと、近鉄で布施まで。そんなに混んではいませんが、大半がティーンエイジャーの男女。

昼過ぎだったのですが、映画館内はフライドポテトの臭いが充満して、やや気分が悪いくらい。ガヤガヤと騒がしかったのですが、本編が始まるとシーンとするのには、見直しました。(こういう館内マナーは、高齢者とオバさん連中が一番ダメで、若者は意外に立派。)

■ストーリー

事故で死後、不思議な球体GANTZに召喚された、玄野(二宮和也さん)と、加藤(松山ケンイチさん)は、宇宙人との戦いというミッションに明け暮れる。そして死闘の末、ついに加藤が亡くなった。ところがミッションをクリアして100点に到達すると、誰か一人を生き返らせる特典があり、玄野は加藤を生還させた。そして次に指示されたターゲットは、なんと玄野の恋人だった。まさか彼女が宇宙人?

■完璧な答えとは、私には判りません。

私は原作の漫画を読んだ事がありません。従って、以下のレビューにはトンチンカンな事を書くかもしれませんが、あらかじめお詫びしておきます。前編は、ストーリーが展開していくものですから、次はどんな事が起きるのだろう、なんて興味がどんどん膨らんだのですが。

後編は「Perfect Answer」ですから、どういうふうにストーリーが収束していくのだろうと期待過多になっていたようです。どうも収まりが悪い、というかマンネリ的気分。それなりに面白く、お金を払っても損はしないとは思いますが、やっぱり映画ではなくて、しょせんは、日テレ?クォリティの番組でした。

これはこれでアリだと思いますけれど。以下、少し思いつくままに感想を。(なお、漫画の事がよく判りませんので、役名ではなく演じた役者名で記載しております。)

愛する弟も惨殺された。でも兄の奮闘で時空?が戻り、少年は戻ってきた。
1.アクション・シーン

前編と違ってアクションシーンが主体で、最初は、なかなか迫力があったのですが、最初から最後まで同じような展開のアクションですので、最後は若干飽きてきます。飛び道具や、最新兵器を持っているのに、チャンバラばかり。しかも、いくら主人公がやられそうになってもそこはお約束。日曜の朝にテレビでやっている仮面ライダーや戦隊モノにちょっとお金をかけて迫力を増した程度かなと思えてきます。

あと前編の時は気にならなかったのですが、こういう身体の線がでるスーツを着ると、日本人の体型の貧弱さがどうしても気になります。体格のよい松山さんですら、やはり頭が大きくて肩幅や胸板が小さいので、貧相に見えてしまいます。(体型だけがカッコ良さの全てではありませんが)

2.死ぬ、やられる基準があいまい

相手の星人、弾丸が当っても、腕をちょん切られても死なない。腕はまた生えてくる。こりゃ不死身?と思えば、あっけなく死んだり。どうもスカっとしません。相手だけでなく、主人公(二宮さん)も、最後に弾丸をまともに食らっても死なないし、ヒロインの女子大生は、生身の人間なのに何回斬られても倒れないのは何故?これもお約束。同じシーンで、本郷奏多さん演じる高校生は一突で即死でしたので、これはギャラの差?

3.田口トモロヲさんの謎?

さて、この映画の中で唯一、我ら中年の星であるトモロヲさんですが、彼の役も謎だらけ。まず、及び腰で逃げてばかりの中年オヤジ。毎回活躍なんてしていたとは思えないのに、いつの間に100点とったの?二宮さん演じる主人公を抜くのような活躍をしてたの?どうも脚本が読めません。いい加減に思えてなりません。原作には何か解説があるのでしょうか。

4.愛する人は誰。

2人の主人公(といっても序列的には二宮さん、松山さんの順でしょうが)それぞれに、愛する人とのエピソードが挿入されています。二宮さん演じる青年には女子大生の恋人がいるのですが、この2人のシーンが退屈すぎてどうもいけません。(ヒロインの女子大生役を演じた吉高さんには申し訳ないのですが)

あと命をかけて戦うのに、この青年には親兄弟との別れはないのでしょうか。天涯孤独だったら仕方ありませんが、涙を誘うなら、恋人も大事ですけれど、お世話になった父ちゃん、母ちゃんを出さないと。

それに比べると松山さん演じる前科者の青年は、弟への愛情が身につまされます。弟の少年が殺されるのは胸が痛みました。でも最後のシーン(ネタバレなので詳細省略)は良かった。兄弟なのに、恋人みたいなのが、ちょっとアレですけれど。

5.最後に

また、いろいろ文句を書いてしまいましたが、エンタメとしてはよく出来ていると思います。見て損はしないので、是非、映画館へ足を運んで下さい。テレビ作品的な作りですが、大スクリーンならではの迫力は得がたいものがありますし、テレビと違って見る方の集中力が違います。なんてったって鑑賞料金を取り戻さないといけないので真剣です。






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