始まりも終わりもない (2013年)
作品総合評価 |
3点 |
少年の出番 |
約5%(ほんの少し) |
寸評 |
老舞踏家の自己満足としか。 【少年映画でない理由】出番がほんの僅か |
映画情報など |
2013年公開。DVD発売中。(写真は高田彪我君) |
このレビューを書いている2015年11月、フジTV系列で「5→9〜私に恋したお坊さん」というドラマの中で、ある少年が話題になっています。高田彪我君という中学生の女装が完璧とのこと。
スターダストプロモーション所属で「さくらしめじ」というフォークデュオを組んでいるという事は、薄っすら知っていました。今回、改めてプロフィールをチェックすると、高田彪我君は映画出演歴もあるじゃないですか。それが本作品。なんとDVDも発売されています。衝動買い。
■ストーリー
ストーリーは混沌としています。全編、前衛舞踏家の田中泯氏の踊り(パフォーマンス)で構成されており、セリフは殆どありません。
田中泯氏演じる老人が大地から現れ、川に流されて、ある集落へ。その夜、集落にいた女性が出産を迎えますが、その時、サイレンが鳴って空襲に襲われ、集落は焼け落ちました。女性や赤ん坊はどうなったのでしょうか。
戦争が終り、日本が復興から経済成長を迎えますが、老人は、大地、工事現場、都会を踊りながらさまよいます。これは、亡くなった赤ん坊の思念でしょうか、母である女性を求め続けるように。そして最後は、また大地に還っていくのでしょうか。
■所感など
さて高田彪我君ですが、出番は7,8分というところ。でも老人の分身とも言える重要な役ではあります。突然地震で地面が割れ、老人はその裂け目に落ちてしまいます。しかし少年・高田彪我君の姿になって這い上がってきました。(映画「火の鳥」を彷彿させる感じ)
しかし少年の演技は、母である女性の前で、突っ立っているだけ。やがて女性が消えると、その周りを回るだけ。もうちょっと何かしてくれると期待したのですが。
前衛舞踏家の映画といえば、岩名雅記氏の「朱霊たち」がありますが、これは少年が主役でした。ところで前衛舞踏家というのは、なぜ全裸になりたがるのでしょうか。できれば老人の裸なんか見たくないのです。
新宿や銀座の雑踏の中を、全裸の田中泯氏が這いずりながらパフォーマンスしており、通行人が奇異な目をして見ています。中には写メを撮っている人も。これは恥ずかしい。
(と思っていましたが、メイキングを見ると、田中氏は紐のような下着を着けています。どうやらCG画像処理で、その下着を消したようです。そりゃそうですね。いくら撮影とはいえ全裸で新宿を歩くと逮捕)
高田彪我君のファンの方へですが、本作品はどうでしょう。昭和風の半ズボンはいいのですが、顔のアップは殆どありませんし、わざわざ見る必要は無いかもしれません。ちなみに私は少年映画でなくても、こんな哲学的というか異色作品は嫌いではありません。