作品総合評価 |
5点 |
少年の出番 |
100%(やはり高校生ですので) |
寸評 |
平岡さんが熱演、高校生丸山でした。 【少年映画でない理由】年齢オーバー |
映画情報など |
2014年制作。DVD/BD未発売。写真は平岡拓真さん |
2015年の5月3日、GWの真っ只中、大阪中央公会堂で開催されていた第13回中之島映画祭へ行ってきました。同映画祭のホームページには、上映される作品のタイトルしか掲載されておらず、どんな内容か全く判りません(ちょっと不親切です)。
仕方がないので、今回上映される13作品をネットで検索した結果、少年映画はありません。本作と、もう1作品「君のいない教室」に中学生か高校生の俳優さんが出ているようですが、都合により鑑賞したのは本作品のみとなりました。
もう1つ「RELAY」という作品があり、リレー競技に取組む小学生を描いた、との触れ込みだったのですが、youtubeで予告編をみると、演じているのは体操服を着た大人。まるで安物AVのコスプレもの。これはパスしました。
親友だった森本と石川。二人は別の道を行くことに。
■ストーリー
陸上部員の高校生、森下(平岡拓真さん)は、幼い頃、友だちと駆けっこして1番になった事をきっかけに、100m走の金メダルを夢見て練習してきた。中学生の時に同じ夢を持つ石川(三原大樹さん)と親友になり、高校生になっても一緒に頑張ってきた。
ところが突然、親友の石川が陸上部をやめた。たった0.1秒にあくせくする事に価値観を見出せなくなった、そう言って。残された森下は動揺する。ずっと一緒だった中学時代。少年ジャンプを読むのも、コンビニの美人のお姉さんに恋するのも一緒だった。
しかし森下は夢を捨てることは出来ない。あくまで100mだ。しかし森下に素質はなかった。体力も無い。後から入部してきたライバルに次々抜かれ、監督の先生からは、種目を変更しろと言われる。それでも止めない。もう夢ではなく妄執だった。大声で叫びながら走り続ける
そんな森下はどんな人生を歩むことになるのでしょうか。映画の最後は、ちょっと意外な結末になります。ここでは書きません。映画を見て下さい(とは言っても、この作品が一般公開される事は、おそらく無いでしょう。すみません)
■あの「中学生円山」がそのまま高校生になった
2013年の映画「中学生円山」で怪演、熱演した平岡拓真さん。そのテンションをそのまま維持して高校生になったといってもいい内容でした。中学生円山では、自分で自分の局部を舐める事(自己フェラ○オ)に取り憑かれた少年でしたが、本作品では100mで金メダルを夢見る少年。夢は必ず叶うというのは理想ですが、それに振り回されると悲劇になります。
平岡拓真さん、今回も大熱演でしたが、身体が貧弱です。特に脚が細過ぎて、陸上競技をやってる脚には全く見えません。最近の小中学生は半ズボンをはかないせいか、脚が生っ白く、不健康に見えます。
余談ですが、追風参考でも日本人で初の9秒台を出した桐生祥秀さんも高校生の時に注目されました。今は世界中の競技会で走っていますが、いつみてもオールドスタイルのショートパンツ姿。周囲の黒人選手など、みんなスパッツみたいなコスチュームの中で、筋肉質で鍛えた脚を見せて頑張る桐生選手に好感が持てます。
話を戻します。平岡さんが、練習で柔軟体操をするシーンがあるのですが、どうみても中学生円山のシーンを意識したとしか思えません。まだ自己フェラに凝っているのかと・・でも相変わらず身体が硬いので、無理そうですが。
平岡拓真さん。まだ少年っぽさも。
友人・石川役の三原大樹さん。
親友だった二人の写真
■親友との関係
さて本作品では、夢を持ち続け、夢にこだわり、夢に振り回される人生がメインテーマですが、もう一つ思春期における親友との関係も見逃せません。ちょっとBLっぽい感じもあります。最近は中高生が事件を起こすと、その交友関係をワイドショーで面白おかしく報道されます。
友人に脅されていたとか、苛められていたとか。そんなのは友人ではありません。今の若者は、奴隷みたいな主従関係にしかならないのでしょうか。同じ夢、価値観を持つ友人にめぐり会えることは、人生にとって財宝のようなもの。
もちろん、途中で喧嘩したり、価値観が変わってしまい、離れる事もありますが、それでもお互いを認め合うようになれば、それこそ本当の親友です。本作品では、そんな友情の話もほんの少し描いています。中学生時代は同じ価値観だったのに、高校生になって進む道が分れてしまう。それでもお互いに思いやり、自転車に二人乗りしたり
こんな友情の話だけを描くと、少しベタになって面白い映画では無くなってしまうかもしれませんが、今のような時代こそ、友情物語の映画もあっていいのではと思います。最近は、女の子を中心に、なんでもかんでも恋愛モノばかりが目立ちます。少子化対策もあり、仕方ないですけれどね。
例年の中之島映画祭では、上映される作品のDVD即売会もあるのですが、本年は殆ど販売されていませんでした。これはちょっと残念です。本作品など、商業ルートでDVDを販売されるなんて事は期待できず、このような場所で、手作りのDVDを購入することが楽しみだったのに。
皆様も、もしどこかのコミケや同人誌イベントで、本作品のDVDを見つけたら、是非ともお買い求めになって鑑賞して下さい。たった38分の作品ですけれど、なかなか考えさせられる作品です。