東京下町の中学校で生徒(望月歩君)が転落して死亡。自殺として処理されるが、不良グループのイジメによる殺人だと匿名の手紙が届く。マスコミも騒ぎ出す中、生徒会長の女子中学生(藤野涼子さん)は、真相を究明しようと、生徒達だけで裁判を始める事を決意する。ここまでが前編。
作品総合評価 | 6点 |
少年の出番 | 60%(準主役をはじめ出演者多数) |
寸評 | 中学生は自殺か、それとも殺人か 【少年映画でない理由】少女映画である事 |
映画情報など | 2015年公開。DVD/BD発売中。 写真は男子キーマンの板垣瑞生君 |
FM TOKYO少年合唱団の定期演奏会に行ったのですが、その開演までの時間つぶしという形で鑑賞しました。なかなかの力作と聞いていましたが、映画としては非常に楽しめました。後編が楽しみです。
宮部みゆき氏の原作小説は、文庫本で6冊もある大長編。松竹映画が満を持して製作した大作との事ですが、前編を見た印象では、ずいぶんお手軽な(お金がかかっていないという意味)作品でした。大規模なセットや特撮ではなく、ストーリーで魅せる作品かもしれません。
東京下町の中学校で生徒(望月歩君)が転落して死亡。自殺として処理されるが、不良グループのイジメによる殺人だと匿名の手紙が届く。マスコミも騒ぎ出す中、生徒会長の女子中学生(藤野涼子さん)は、真相を究明しようと、生徒達だけで裁判を始める事を決意する。ここまでが前編。
この映画一番の売りは、主役の藤野涼子さん。役名をそのまま芸名にして新人デビュー。成島出監督が彼女に惚れ込み、渾身の力を込めて指導したのでしょう。彼女もそれに応えて素晴らしい演技で、中学生とは思えない迫力を感じました。
成島監督の話などを読むと、中学生役がダメなら映画そのものを断念するくらいの覚悟で臨んだそうですが、女子陣に比べると、男子陣は演技(特にセリフ)のレベルが数段劣り、非常に残念な映画になっています。(監督さん、男子陣の演技指導はしたのでしょうか)
特に、ヒロインの藤野さんの相手役となる、神原和彦役の板垣瑞生君。超一流のイケメンですが、セリフ棒読みで、演技も、身体全体からほとばしるようなモノが感じられません。終盤の不良少年と対決シーンで、主役の藤野さんが「神原君の方が怖かったわ」と漏らすのですが、皮肉みたいで失笑しそうでした。
実力派の清水尋也さんは、男子陣の中で一線飛び抜けた感じですが、いかんせん不良少年役なので、感情移入なんて出来ないし、死んでしまう役の望月歩君は出番がほんの僅か。そういう意味で少年映画とは認定できません。ちょっと残念です。
板垣瑞生君の演技に辛口な事を書きましたが、後編予告を見ると、彼がキーマンのようですので、後編を見てからもう一度、レビューも書き直します。なんとか今の印象をひっくり返す、いい演技をして欲しい。