天空の蜂 (2015年)
作品総合評価 |
6点 |
少年の出番 |
約20%(序盤だけなら主役でした) |
寸評 |
実際に起こりうると考えると怖い話です 【少年映画でない理由】出番が少ない事 |
映画情報など |
2015年公開。DVD/BD発売中。 |
2015年9月23日、梅田ブルク7(大阪)にて鑑賞。
東野圭吾氏が、福島原発事故よりもずっと前の1995年に書いた小説の映画化。原発へのテロという、今の政府にとって微妙な題材だけに、よく映画化したものだとの批評は聞いていました。でも少年映画ファンの私は興味なかったのですが、先に鑑賞された方から「騙されたと思って見て」と強く勧められました。
■ストーリー
M重工業の開発した新型ヘリコプターが、テロリストの遠隔操縦で乗っ取られた。ヘリには爆発物が搭載され、福井県にある核燃料サイクル施設の上空で停止した。「日本の全原発を即時停止し破壊せよ。さもなければヘリは燃料切れで原子炉に墜落させる」との脅迫が。
しかもヘリには爆発物だけでなく、M重工業の技術者(江口洋介さん)の息子(田口翔大君)こっそり乗り込んでいたから大変だ。燃料切れまで8時間、少年の救出作戦、原子炉の安全対策、テロリスト捜査が同時で進行します。1分1秒もムダにできない息詰まるサスペンス。さてどうなるのでしょうか。
ヘリに取り残され、救出を待つ。この表情
舞台挨拶。田口翔大君、かなりイケメンに
■所感など
物語は、江口洋介さん、本木雅弘さん扮する技術者を軸として、核施設、自衛隊、警察、犯人など大勢の出演者が絡む群像劇のように進行します。しかし映画前半のヤマ場は、ヘリに残った少年役の田口翔大君の救出。いやなかなか迫力がありました。田口君は美少年のうえ出番も多く、その意味では満足です。
ただ原発は世論を二分する問題だけに、政治的、社会的な部分をできる限り薄くして、あくまでエンタテイメントと割り切った作りにしようとする努力がみられます。今の政府や主流メディアに逆らうのは興行的にも問題なので、これは仕方ないところですね。
さて最近は節約のために映画パンフは買わず、公式サイトを見て我慢するのですが、少年俳優、田口翔大君の事が全く記載されていません。無視されている感じすらします。舞台挨拶でも、大勢の大人の有名俳優さんが中心なのは仕方ないのですが、呼ばれもしないとは。
(と思っていたら、9月20日に堤幸彦監督、江口洋介さん、田口翔大君の3人だけのイベントがあったそうです。関係者もさすがに、これだけ頑張った田口君無視はよくないと思ったのかもしれません)
とはいえ、本作品は残念ながら少年映画と認定することは出来ません。でもエンタテイメントとしては一級品ですので、是非とも映画館の大スクリーンで鑑賞されることをお奨めします。