トーク・トゥ・ザ・デッド (2012年)
作品総合評価 |
3点 |
少年の出番 |
8%(キーマン?だが出番少なし) |
寸評 |
題材は面白いのに。幽霊より女性が怖い 【少年映画でない理由】出番が少ない事 |
映画情報など |
2013年公開。DVD発売中。 (写真は、死んだ弟役の酒井天満君) |
大阪日本橋の中古DVD店で、200円で売っていたレンタル落ちのDVD。中古店では、有名作品の2番煎じ、3番煎じの安っぽい三流ホラーがあふれていますので、これもその一つだと思って、買ってからも長い間放置していました。
パッケージをよくみると、監督は鶴田法男氏で、Jホラー界の大御所の一人。少年俳優も登場との事で、そんなに酷くはありませんでしたが、決してメジャーになる作品ではありません。予算がねえ・・安っぽいのは仕方ありませんか。
■ストーリー
百合(小松彩夏さん)は、男を作って家を出た、とんでもない母親の借金のために、デリヘル(知ってます?良い子はパスしてね)で働いていた。そこへまた鬼母が戻ってきて、育てられなくなった、父違いの弟、聡(酒井天満君)を押し付けていった。
百合が夜、デリヘルで働いている時、持病で体調を崩していた聡が急死。皮肉にも誕生日で百合がケーキを用意していたのに。悲しむ百合は、デリヘルの同僚の女の子から死者と話のできるアプリを教えて貰う。半信半疑だったが、そのアプリで聡に電話をすると「お姉ちゃん、寂しいよう」聡の声だった。
話をしてもいいが、死者と決して会ってはいけない、それがルールだったが・・
鶴田監督と。メイキングより
■死者との交信。定番ですが、今ひとつ消化不良
死者と交信。こっくりさん、巫女さんなどを介していたのが、今ではスマホのアプリで。本作ではこれがホラーの根幹を成しているはずなんですが、どうも添え物みたいで、怖さがないのです。その分、登場する女性の方が怖いというか、イライラするというか、そっちの方が記憶に残ってしまって。
まず主人公の女性の鬼母。実の娘に金を出せと叫ぶ、殴る、蹴る。ところが自分のスナックでは、慈母のような接客。(これを書いている2017年6月、自民党の豊田真由子議員の秘書への暴行,暴言が話題になりましたが、そんな感じ)またデリヘルの女性同士の陰湿な関係、新人デリヘルのイライラする態度、雑誌の女性記者のいい加減さ。
もうちょっと登場人物を整理して、怖さを追求して欲しかった。その中で、主役の小松彩夏さんは頑張っていました。この前に「クロユリ団地」とか「のぞきめ」などメジャー系ホラー映画に出演した元AKBの方に比べれば、まだ感情移入ができました。
■酒井天満君
母に捨てられ、父の違う姉に押し付けられ、あげくに非業の死を遂げる幼い少年。姉が優しかったのが救いです。しかし本作品では、映像が暗くて表情がよく見えません。声は細くて可愛く、幽霊の声らしくて雰囲気は良かったのですが。
弟は風呂場で死んでいた。怖い
メイキングでネタバレ。人形だったのですね
話は違うのですが、2016年のTBS系ドラマ「家族のカタチ」と同じシテュエーションだなあと。香取慎吾さん演じる男性の元に、異母弟を押し付けられるというか、父と一緒に転がり込んでくるという破天荒なストーリーで、こちらはハッピーエンドでした。本作はバッドエンド。
いや、それは判りません。ネタバレですが、姉と弟はこの世を去るのですが、こんな生地獄のような現世よりも、向こうの世界の方が幸せなのかも。いやいやちょっとネガティブになりました。与えられた生は全うしなければ。
日本のホラーのレベル低下が止まりません。そんな中で2016年「残穢 住んではいけない部屋」は久しぶりに知的に怖い作品でしたが、少年俳優が殆ど出来てきませんので、ここで取り上げる事はできませんし。ちょっと頑張って欲しいところ。