歩いても歩いても (2008年)

作品総合評価 5点
少年の出番 50%(印象的ではあるのですが)
寸評 家族の絆とは。改めて考えさせられます
【少年映画でない理由】出番少ない
映画情報など 2008年製作。DVD/BD発売中
(写真は、田中祥平君と林凌雅君)


2008年7月19日、梅田ガーデンシネマ(大阪)にて鑑賞しました。

■ストーリー

サラリーマンの横山(阿部寛さん)は妻と息子のあつし(田中祥平君)を連れて実家に帰った。元開業医の父(原田芳雄さん)と母(樹木希林さん)や、親戚の家族も集まって賑やかになった。15年前に亡くなった長男の命日。優秀だった長男と何かにつけ比較されてきた横山は複雑な気分。

老いた父、長男の幻影を追いかける母。そんな空気の中で、あつしや子供達は屈託なく過ごしながらも、なにかを学んでいく。やがて墓参りは終り、また何事もなく生活が始まる。

■まったりした空気。その中に潜むトゲ

東京に遅れること約3週間、やっと大阪での公開初日。この映画館で第1回上映後、本映画の是枝監督と子役の田中祥平君の舞台挨拶があるのですが、朝ぐずぐずして家を出るのが遅くなり、映画館に着いた時には、立見ですと言われ、仕方なく2回目を鑑賞しました。

実はこれには計算もあったのです。1回目終了後に挨拶、という事は、2回目開始前にもサービスで挨拶があるかもしれない(東京では、よくそんな事がありました)。結果は見事にハズレ。約30分も挨拶や質問時間があり、時間が押していたので、席に着くなり予告編もなく、いきなり上映開始でした。

さて映画の内容の方は、様々な感想サイトやブログにあるように、大きな展開もない静かなストリーですが、じっくりと心に染み入る作品でした。田中祥平君は主役でこそありませんが、非常に印象的な少年役で、飄々としながらも、周りの大人たちを冷静に見つめる姿をしっかりと演じていました。(12歳の今のうちに、何とか主演作品を撮って欲しい!と切望する少年俳優です。)

映画のラストシーン。数年後、少し成長して中学生くらいになった、あつしの後ろ姿が映ります。後で解説を読むと、田中祥平君の実のお兄さんが演じていたとの事。この辺り、是枝監督ならではの憎い演出であり、またお兄さんへのリスペクトというか配慮なんだろうと思います。





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