疾風ロンド (2016年)

作品総合評価 5点
少年の出番 60%(主人公の息子役ほか)
寸評 ドンデン返しの連続。でも作りが少し雑。
【少年映画でない理由】年齢オーバー
映画情報など 2016年製作。DVD/BD発売中
(写真は濱田龍臣君)


東野圭吾氏原作のミステリーアクション映画。定評ある作家が原作ですので、脚本は面白いはずなのですが、ネットでは酷評や辛口なものが散見。それもあり鑑賞はパスしていたのですが、本サイト客員のノースエンド先生からのお勧めもあり、ちょうどWOWOWで放送していたものを鑑賞しました。

主人公の息子役の濱田龍臣君が結構出番が多いのは儲けもの。ただ可愛かった濱田君も14歳には見えなくなったのは少し寂しい。同じ中学生役で望月歩君、前田旺志郎君も出演しています。3人とも同い年。少年俳優としては最後の映画かもしれません。

野沢温泉で一緒になった中学生たち
(左から濱田龍臣君、久保田紗友さん、前田旺志郎君。ちょっと離れて望月歩君)
■ストーリー

ある医学研究所で極秘裏に開発中の生物兵器 炭疽菌K55が盗まれた。犯人は元研究員でK55をあるスキー場に埋めたと言い3億円を要求。しかし皮肉な事に研究員は交通事故で死亡。K55の行方は判らないまま。所長は研究員の栗林(阿部寛)にお前一人で回収して来いと命じる。

唯一の手がかりはK55を埋めた目印の木に打ち付けたテディベアの写真。テディベアには電波発信機が内蔵されており、その受信機も犯人から送付されてきた。しかし電池は4日しか持たない。栗林はスノボの上手い息子の秀人(濱田龍臣)から、この写真は野沢温泉に違いないとの情報を得て、息子を連れて野沢温泉に向かった。

スキーの出来ない栗林は早々に負傷。救助に来たパトロールの根津とその彼女にK55(中身は秘密にして)の捜索を依頼した。一方息子の秀人は現地の中学生の少女と仲良くなる。ところが少女の友人の高野(望月歩)と川端(前田旺志郎) の二人がテディベアを見つけ、それを旅行中の幼い女の子にプレゼントしていたからややこしい。

さらに研究所にはもう一人、野心を持つ女性研究員がいてK55を奪おうとしておりストーリーは簡単には進まない。すったもんだの末にK55を取り戻したかに見えてまた2回も3回もオチがあって...(後は原作かDVDをご覧下さい)

■素材は超一流。後は料理人の腕次第...(残念)

原作は読んでいませんが、とにかくミステリーやスリルに満ちた展開。そのうえ父と息子の葛藤、母親と息子の関係、オリンピックを目指す女性の葛藤などてんこ盛り。題材には事欠かないので、後は監督など制作側の腕次第のはずなのですが、ちょっと荷が重すぎたのでしょう。

真っ正面から取り組んだら前編、後編で4時間くらいの大作になるかもしれません。本作は妙なコメディタッチにして全体を端折って駆け抜けた感じです。面白くなくはないのですが、どれも中途半端な印象。

主役の阿部寛さんは想定内の演技。でも柄本明さん演じる所長役が失敗。コメディとはいえリアリティが全く無く安物のコントのようで。濱田龍臣君も出番は多いのですが、あまり共感を感じない中学生役。
(下世話な話。彼の顔のメイクは改善が必要。アップで見ると15歳の少年とは思えない程のやつれた印象。相手役の少女がキレイなだけに...)

ほんの端役と思っていた望月歩君が最後に少しだけみせてくれた演技は良かったと思います。まあ全体的にカンテレ(関西テレビ)製作の映画ですかので、あまり多くを望んでも仕方ないのかも。せめて学生時代によく行った野沢温泉をもうちょっと魅力的に撮ってくれたらなあ...

反抗期の息子に手を焼く父
(阿部寛さんと濱田龍臣君。濃い顔の父子...)
恐ろしい炭疽菌を埋めた目印のテディベア
(この写真だけで野沢温泉と判るんかいな...)


父が必死の捜索中。息子はちゃっかり女の子と...
(濱田龍臣君も大人になったなあ...)
隠し場所を見つけた中学生をナイフで脅す男
(前田旺志郎君は情けない役。標準語うまくなった...)


妹がインフルエンザで死んだ。移したのは僕かも...
(望月歩君。また影のある少年役ですか...)
父と息子は少し理解し合う事ができた
(ちょっとぎこちなく抱き合う二人)






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