母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。(2018年)

作品総合評価 5点
少年の出番 8%(主人公の中学生時代)
寸評 マザコンのダメ男。でも愛に満ちて..
【少年映画でない理由】出番過少
映画情報など 2018年製作。DVD発売中。
(写真は込江海翔君。主役の中学時代)


とりあえずタイトルが長い。原作は同名の漫画。作者の宮川サトシの自伝との事。最近はこんな長いタイトルの映画が多い気がしますが、宣伝効果があるのでしょうか。

2019年2月公開。でも上映館はほんの僅か。私は存在すら知りませんでした。DVD発売後にノースエンド先生から情報を頂きました。最寄りのレンタル店は取扱いなし。仕方なくDMMの郵送レンタルを利用。

そこまでしてDVDを借りたのは、ひとえに込江海翔君を見たかったから。15歳。少年俳優として最後の作品かなと...僅か7,8分でしたが十分満足できました。欲を言えばキリがありませんけれど。

「あんたオナニーしてるだろ。ここに精液入れといて」「俺そんな事してないし..」母親に言われたら困るわな。
(精液を入れるシーンもあれば神映画...そんなの撮れる訳ないでしょ!)
■ストーリー

漫画家を夢見る中年フリーターの宮川サトシ(安田顕)の母が亡くなった。葬儀の夜、サトシは母との過去を回想する。5歳(加賀谷光輝)の時、万引きで捕まり母に連れられて帰る道のこと。そして15歳(込江海翔)の時、急性白血病で死の淵をさまよったこと。

辛い闘病生活。常に母が横にいてくれた。骨髄移植を前に母は「サトシ、ここに精液を入れといて。必ず」そんなの!顔を赤らめるサトシ..移植は成功。中3をやり直す事になったが再発は起きていない。

大人になり、母にガンが見つかった。今度は自分が母へ恩返しの番。恋人と一緒に奮闘するが、母とサトシの思いはすれ違いばかり。それでも最後は思いがつながり母は逝った。サトシは結婚。漫画家を目指して上京。しかし白血病治療の後遺症で子供は諦めていた。そんな時に電話が。精子冷凍保存施設から..

■こらバカ息子!お前のバカさ加減に涙が出てくらぁ..

まずは主人公の大人になった宮川サトシさん。実在の方ですので言いにくいのですが、この見出しのようにカツ!を入れてやります。もうイライラし通しのダメ男でした。これも演じた安田顕さんの熱演の賜物ではあるのですけれど。

ガンを宣告された年老いた母。息子は「頑張れ!頑張れ!きっと良くなる!」などと自分の価値観を一方的に押し付けます。母の気持ちを思いやるなんて全くなし。母が死の準備めいた事を漏らすと息子は激怒。

それでも母が言う事を聞かないと、このバカ息子はヒステリーを起こして泣き喚きます。何回も何回も。もう見てられません。もちろんそれもこれも母への愛の為せることなんですけれど..

息子からの愛や感謝の気持ち。母はよく判っています。でもやがて逝く事は自然の摂理。そっと手を握って「怖ガラナクテモイイ」と宮澤賢治のような態度でいてくれた方がいいのでは。いやいやこれは私の価値観の押し付けになってしまいますか...

さて数分しか登場しなかった込江海翔君。彼には何か独特な魅力があります。ちょっと気の弱そうな微笑を見るとキュンとするのです。本作でもまだ健在でした。次はさわやかな青年俳優になってまたスクリーンで見たいものです。

5歳のサトシ。万引きして捕まった。
(ただチョコが欲しかっただけ)
店で大泣きした後、母が迎えにきてくれた。
(母と2人で家へ帰る道。一生忘れない..)


中学生のサトシ。保健室に呼び出された。
(健康診断結果について両親への手紙を渡された)
急性白血病だった。入院したサトシ。
(読んでる漫画はハイスクール奇面組。懐かしい..)


病室にはいつも母。サトシの好物を差し入れ。
(当時の白血病治療の副作用は辛いらしい..)
骨髄移植。不安で不安でたまらない..
ふと横を見ると母がイビキ。思わず微笑むサトシ。



※後記
宮川サトシにはしっかりした兄がいて、ダメな弟にカツを入れてくれます。ただ幼年期、少年期には全く登場しません。子役をキャスティングするのが面倒だったから?





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