長いお別れ(2019年)
作品総合評価 |
4点 |
少年の出番 |
30%(前半は結構出番多い) |
寸評 |
認知症の父の7年間。現実はこんなに甘くない。 【少年映画でない理由】出番過少。 |
映画情報など |
2019年製作。BD/DVD発売中。 (写真は孫役の蒲田優惟人君) |
急速に進む高齢化社会。人生の最後は幸せなんでしょうか。姥捨山(うばすてやま)に捨てられていた時代とさして変わらぬのが現実かも。名前は施設に変わっても。
各種の映画サイトをみると本作の評価は非常に高いようです。レンタル店でも常に貸出中が続いていました。私はDVDパッケージに写っている少年が気になったので借りました。(右端で体を折り曲げている少年→)
深刻なテーマなのに全体的にゆる〜い内容。孫の少年役を演じた蒲田優惟人の出番が思った以上に多かった事は儲けものでした。
認知症になった祖父の膝にそっと手を置くタカシ。
(祖父にとってタカシはたった一人の孫だった)
■ストーリー
タカシ(蒲田優惟人)は父の赴任に伴い家族で米国へ。学校では米国人のガールフレンドも出来た。祖父(山崎努)が認知症になったと聞き、夏休みに母(竹内結子)と帰国した。祖父はタカシの事を覚えていなかったが、不思議と2人は気が合った。元国語教師。どんな難しい漢字でもタカシに教えてくれた。
認知症は徐々に進行。祖母と次女(蒼井優)が献身的に介護。米国に戻った母(長女)は何も出来ない焦りに加え、反抗期を迎えたタカシ(杉田雷麟)の登校拒否に悩む。祖父が最後の入院。母とのTV電話の画面をタカシが覗く。話は通じないが心は通じたのか...
■長いお別れの意味
長いお別れ。最初に思うのは死の事か。でもそれなら永いという字を使うはずだし。その答えを最後の場面でタカシの学校の米国人校長が教えてくれました。
タカシは校長に「祖父が7年間の認知症の末に亡くなった」と告げます。校長は「そうか7年かけてお別れしてくれたんだね」。米国では認知症の事を「長いお別れ」と表現するのだそうです。(私がそう思っただけの誤解かもしれません。ちょっと自信なし。)
■現実はこんなものでは...
本作品は2時間7分と長尺。でも私にとって内容はスカスカな気分でした(申し訳ありません)。私の身の回りでも何人かいますが、認知症でなくても高齢者の介護は本当に大変です。それがもとで無理心中。そこまでいかなくても高齢者虐待など...
本作品はそういう悲惨な側面を殆ど描かず(少しはありますが)キレイ事だけをふんわりと描いているように思えます。もちろん映画は娯楽作品ですから、人生の最後は色々あったけれどバラ色だったと思わせることはアリだと思います。
竹内結子さん、蒼井優さんが演じる娘たちの視線なので仕方ない面もあります。蒼井優さんはどの映画に出ていても蒼井優というキャラにしか見えません。それがいいのか悪いのか。一方、少年俳優の蒲田優惟人君も頑張ってはいましたが、いてもいなくても大勢に影響ない存在だったのが寂しいところです。
ガールフレンドのエリザベスと。
(彼女にはしっかりフラれました。)
何年かぶりで祖父と再会。知らないと言われたが..
(デイサービスからの戻り。そよ風?典型的な施設名)
現代っ子のタカシ。祖父には優しい子。
(おじいちゃん、おじいちゃんと懐いている)
どこかへ放浪した祖父を探すタカシ。
自転車で河原の方へ向かう。
河原で祖父を見つけた。ひと安心。
(携帯でアメリカの彼女をチェック...)
15歳クライに成長。反抗期になったタカシ。
(演じるのは杉田雷麟さん。)
※後記
竹内結子さん演じる長女は夫と一緒に米国で7年以上も生活。なのに英語は全くダメという設定。これはおかしいのではないの?家に引きこもりなのでしょうか。ちなみに息子はネイティブなみに英語が使えてガールフレンドまで。