クロユリ団地(2013年)
作品総合評価 |
4点 |
少年の出番 |
10%(出番の割に印象は強烈!) |
寸評 |
幼い少年が悪霊に。田中奏生君が大熱演。 【少年映画でない理由】出番が少ない事。 |
映画情報など |
2013年製作。DVD/BD発売中。 写真は田中奏生君。 |
大ヒットしたホラー映画「リング」などの中田秀夫監督作品。しかも日活創立100周年記念作品だそうですが、そのわりには今一つ地味な作品でした。企画が秋元康氏。それで主演が元AKBのMさん。
私はノベライズ版を角川ホラー文庫で読みましたが映画は鑑賞せず。それでも日本映画専門chで放送されたものを録画だけはしていました。ここへきて邦画ネタ不足もあり改めて鑑賞。
とにかく悪霊少年役の田中奏生君がいい。当時の公式サイトではPC用壁紙がダウンロード出来ましたが、邪悪で可愛い奏生君の顔がどーんとアップ。これを壁紙にした人はどれだけいるのでしょうか。
映画公式サイトでダウンロードした壁紙(一部トリミング)
(女優と男優バージョンもありましたが、この画像が最もインパクト強いと思うのですが)
■ストーリー
何かと噂のあるクロユリ団地に若い女性アスカと家族が引っ越してきた。アスカは介護士を目指して専門学校に通っている。隣室から不気味な騒音が聞こえるが家族は取り合ってくれない。アスカは公園でミノル(田中奏生)と友達になった。5歳の男の子だ。いつも一人でいる。そしてどこへともなく帰っていく。
事件が起きた。隣室の高齢男性が孤独死。部屋の特殊清掃に来た男性がアスカの不安な顔に気づく。2人は霊媒に相談。アスカは悪霊に取り憑かれていると。悪霊は13年前に非業な死を遂げたミノルだと。二度とミノルと会ってはいけない。霊媒は仲間を集めてお祓いを行うが、ミノルのパワーはそんなものでは祓えない...
■映画だけを見た人には判りづらい
ノベライズ版小説が出るくらいですから、しっかりプロットを設計していたものと思います。でも映画本編だけでは怖さが全く判らない。隣室の老人が実はミノル少年に憑かれた犠牲者だったって判ります?
男の子を孫のように思って部屋に入れて遊んであげていたら、だんだんと凶暴になってきて最後は殺されてしまった。壁を引っ掻いたのも、隣室のアスカにあの子は危険だと知らせるためだった。
逆に映画ならではの判り易さも。アスカは両親と弟の4人家族で引っ越してきた。しかしいやに両親が若いのです。佐藤瑠生亮君演じる弟とも年齢差があり過ぎ。この家族はアスカの妄想だった。実際には10数年前に事故死。このあたりからアスカの狂気が目立ってきます。
■ミノルみたいな悪霊で日本は溢れかえるかも・・・
本作のボスキャラは田中奏生君演じるミノル。呪怨シリーズにも少年幽霊俊雄がいますがあくまでサブキャラ。しかし日本人の少年というのはどうも怖くないのです。西欧では悪魔の子ダミアンなんかは本当に邪悪で怖いのですけれど。
ミノルの死因。かくれんぼでゴミ箱に隠れたはいいものの内側から蓋が開かず、そのまま焼却場で焼死。非業な最期ではありますが、それであれだけの悪霊になるのでしょうか。今の日本。毎日のように悲惨な虐待死のニュース。悲惨な死を遂げた子どもたちで悪霊だらけ。最近ではC県N市なんか呪怨どころでは...
それはおいといて田中奏生君の表情は大したもの。本作品後にはTVドラマなどに引っ張りだこ。本作続編の話は消えてしまったようですが、演技派の少年俳優、若手俳優としてもっともっと映画に出て欲しい。
団地に引っ越してきた一家。弟役は佐藤瑠生亮君
お姉ちゃんばかりずる〜い。実はもう死んでいた。
砂場で一人で遊ぶミノルを見つけた。
(実は次のターゲットを探していたのだ)
夜なのに一人で部屋にやってきたミノル。
お姉ちゃん、遊ぼうよ。
ミノルは悪霊。霊媒たちが必死でお祓いを
2019映画「来る」でも同じシーン。霊媒たちは全員死ぬ。
ミノルが来たがドアを開けてくれない。
死んだ弟の声で騙すミノル。悪魔祓い映画の定番..
恐ろしい形相で邪魔する青年を殺す。
(最後は米映画「チャイルドプレイ」そのまま..)
※後記
映画レビューサイトを見ると本作は酷評の嵐。J事務所と同じパターンで、AKB商法で出演した女優さんへの反感があるのかもしれません。さて本作の前にTVで「クロユリ団地・序章」が放送されました。私は見ていないのですがAmazonで検索すると中古DVD3枚組でなんと100円(送料別)ほど! これは買ってみて鑑賞しないと...