コウとチョウゴロウの夏 高山社 小さな記憶の物語 (2019年)
作品総合評価 |
4点(劇映画の観点では厳しくなります) |
少年の出番 |
80%(出番は主役以上に多いかも) |
寸評 |
群馬県藤岡市の観光&啓発映画。 【少年映画でない理由】主役は少女。 |
映画情報など |
2019年製作。youtubeで全編公開中。 写真は津久井黎多君。中学生には見えない... |
群馬県藤岡市のまち映画。90分近い長編作品ですが、これがもうベタベタのジモティー映画。ミュージアムなどのエントランスでよく常設上映されているビデオの90分版。決してバカにしている訳ではありません。私は好きなジャンルです。ただし劇映画作品とは思わない事が肝要。
youtubeで全編無料公開されている事は本当に有り難い事です。タイトルが「コウとチョウゴロウの夏」なので少年の話だとばかり思って鑑賞したのですが、コウは女の子の名前だそうで。最近は名前の性差がなくなってきました。アキラ、マコト、レオなんて女の子も普通に...
藤岡市の三偉人って知っています? 関孝和(数学者)、高山長五郎(養蚕事業者)、堀越二郎(零戦設計者)の3人。本作品ではこの3人の方々の事が少し学べますよ。
藤岡の町を歩くケンイチ。イケメンですなぁ...
■ストーリー
小学生のコウ(高岩七菜)は同級生のヨウイチ(高見海吏)と地元の偉人である高山長五郎の事を調べる事になった。コウと同じ珠算教室に通う女子高生が色々と教えてくれる。一方ヨウイチの1歳上の兄ケンイチ(津久井黎多)は航空機設計者が夢でラジコン飛行機大会への準備に忙しい。
そんな時、高山長五郎と名乗る怪しい男が出現。この男はケンイチ達の父の後輩。父はもういない。男は学生時代に父に迷惑をかけたままだった。男はケンイチとの交流を通じて過去を精算する事が出来た。一方やる気の無かったコウも高山長五郎を通じて将来の夢をみつけていく。
■三偉人との関係
関孝和は江戸時代の数学者という事で、主人公のコウはソロバン教室に通っています(それだけかい?)。
次に高山長五郎ですが、コウの氏名は高山幸羽(三国志に出てきそうな...)と言って祖母の家ではお蚕様を飼っていたようです。高山家とのつながりは不明ですけれど。
三番目の堀越二郎は三菱重工業の設計技師。零戦の設計者として有名です。本作品の準主役のケンイチが憧れて設計者を目指しています。普通少年なら裏方のエンジニアではなくて、花形のパイロットを目指しそうなものですけどね。
本作品は三偉人と語呂合わせのような強引なストーリーと、ご多分もれず名所紹介。名所と言っても観光地ではなく地元企業や物産展などチラシのような場所。いやここまで開き直ってジモティーしてくれたら却って清々しい気もします。
さて少年少女の演技ですが、全員恐ろしい程の棒読み。これも開き直りついでで違和感はありません。主役は高岩七菜さんですが、友人の兄弟役を演じた高見海吏君と津久井黎多君も目立ちました。(最近の地方映画で子役が出る場合は少女主役になるようです。完全に少女映画だったらいいのですが、中途半端に少年俳優も出演していると見るかどうかの判断に困ります。)
ヨウイチとコウは高山長五郎を調べる事に。
(ヨウイチは超マジメ少年。コウは投げやり少女...)
兄のケンイチはラジコン倶楽部の打合せ
お金が無いので機材が不十分なのが...
7枚の鬼瓦を見つけると願いが叶う?
何とか見つけた。でも自分の願いって何だろう...
父の後輩がケンイチにきつい言葉を。
どうして倶楽部の仲間の事を信用できないんだ!
後輩のミスで父はコンテストに出れなかった。
後輩は信頼を取り戻したかった。でも父は死んだ。
その思いを息子のケンイチが受け入れた。
(この2人が主役かと思うほど...)
※後記
以前の会社にいた頃、零戦工場だった中島製作所の跡地にある企業と開発案件があり、大阪から夜行バスで群馬に何度か行きました。群馬で最初に停まるのが「ららん藤岡」という道の駅。まだ夜明け前の真っ暗闇。やっと群馬かあ...と思って目をこすった記憶が蘇ってきます。