チチを撮りに (2012年)

作品総合評価 5点
少年の出番 15%(印象には残ります。)
寸評 73分。うまくまとめました。(これ以上長いとダレる)
【少年映画でない理由】出番過少。
映画情報など 2012年製作。DVD発売中。
写真は小林海人君


スカパーを何気なく見ていたら放送していた作品。録画は出来なかったのでDVDをレンタルで鑑賞。監督は「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太氏。この方は基本的に女子高生や女性を描くことが得意なようです。

見るきっかけは小林海人君が出演している事。しかもサスペンダーのついた黒い半ズボンという時代錯誤的な衣装。非常に達者な演技で一服の清涼剤のような存在でした。

駅から家まで小さな少年が案内してくれた。大きな果物籠は3人で交代で持った...
(サスペンダー付き半ズボン。いいですなぁ...10歳にしては幼い体型ですけれど)
■ストーリー

20歳と17歳の姉妹が主人公。離婚して家を出た父が危篤。姉妹が嫌々お見舞いに行く事に。母から父の顔を撮ってきてとカメラを渡されて。ところが姉妹が移動中に父が死んだとの連絡が。そのままお葬式に出てと...

最寄りの駅に着くと小さな少年(小林海人)が1人。僕が家まで案内します。彼は死んだ父の子、つまり姉妹の異母弟だった。その異母も今はいないそうだ。喪服もなく戸惑いながら葬式に参列。喪主は叔父。叔母からは遺産目当て来たの?と言われてキレる姉妹。そんなモノ放棄します!

火葬が終り弟ともお別れ。姉妹はそっと1片の骨を持ち帰った。その骨を母は川に捨てた...

■ロードムービーかと思ったが...

姉妹が父を探すロードムービーかと思っていました。でもあっという間に父の家へ。駅に迎えにきたのが10歳の少年。こんな田舎なら普通は車(少なくとも農業用軽トラ)で来るのが当然なのに。

そんな小さな少年は健気にも姉妹の大きな荷物(お見舞い用の大盛りの果物籠)を持ってヨタヨタと歩き出します。自己中?姉妹もさすがにそれは気の毒になって結局は3人で交互に持ちながら、田舎の道を歩いていく。このシーンが1番好きでした。

さて死んだ翌日(もしかして当日)にお葬式は早過ぎませんか。その他にも?な脚本はありますがそれにツッこんでも仕方ありません。自己中だった姉妹が父の死という事実に遭遇し、少しずつ変わっていった。そういう心のロードムービーだと思えばよく出来た脚本です。

さて小林海人君。パッと見は幼稚園児。でも10歳の小4。父が死に母は出ていき1人ぼっち。そのせいか姉妹に甘えたい目線はあるもののしっかり自制。スピンアウトでこの弟が姉妹の家へ引き取られる話があれば...(中野監督には全く興味のないテーマでしょうけれど)

駅に迎えに来たのは幼い少年がたった1人!
「この度はご愁傷様です」ぎこちなく挨拶した姉妹...
弟に質問責め。父はどんな人? サッカーやってるの?
ボクは奇術部です。ちょっとだけ手品を見せる...


お葬式が終り、遺影を抱く弟
(火葬場には行かないと言った姉妹だったが...)
3人でお握りを食べる。これが最初で最後...
(自己中だった姉妹も弟の前では大人になる...)


駅まで見送りに来た弟。また1人で。
「もうここへ来る事はないわ」姉妹はそう言った。
お姉ちゃん...思わず涙ぐむ
姉は「厳しくなったら、ここへ連絡して」と名刺を...
(姉がバイトしているキャバクラの名刺)



※後記
DVDには中野監督がndjc(若手映画作家支援プロジェクト)で製作した30分の短編映画も収録されています。これも女子高生モノですので省略。一方、小林海人君。残念ながら中学入学を機にタレント活動は卒業したようです。





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