最初の晩餐 (2019年)

作品総合評価 5点
少年の出番 25%(意外に多い)
寸評 お葬式で故人の偲ぶ。定番の設定ですが。
【少年映画でない理由】出番が少ないこと。
映画情報など 2019年公開。BD/DVD発売中.
写真は牧純矢君。


最初の晩餐。タイトルをみた時は何かのパロディ映画かと思いました。でもタイトル通りの映画。晩餐というにはあまりに質素ですが。何気なくWOWOWで見ていて、少年俳優の牧純矢君が印象に残りました。

父と戯れる12歳の麟太郎。父の「くすぐり攻撃」に満面の笑顔で耐える...
(永瀬正敏さんと牧純矢君。本当の父子みたいで、見ていて和みました)
■ストーリー

カメラマンの麟太郎(染谷将太)が父の葬儀で帰ってきた。通夜の席で母が作った料理はなんと目玉焼。これは亡き父が作ってくれた最初の料理だった。麟太郎が7歳(外川燎)、姉が12歳の時、父は母と再婚した。母には17歳のシュン(楽駆)という息子がいて5人家族になった。

姉は新しい母とシュンに反発。しかし幼い麟太郎はシュンにも母にもなついた。元登山家だった父はシュンを山に連れていく。麟太郎が12歳(牧純矢)になったある日、シュンは家を出て行った。父は何も言わない。それ以来音信不通だったシュンが葬式に現れた。5歳の息子を連れて。今は世界で活躍する登山家だった...

■こんな父親なら...いいかもしれない

どうも映画の中の父親というヤツは洋の東西を問わず自分勝手で暴力ばかり。22世紀頃には家族のカタチが激変して父親なんて不要になってるのでは...なんて思うくらいでした。

でも永瀬正敏さん演じる本作の父親は違うのです。常に感情を抑制しながらも家族の事を深く思いやる姿が立派なのです。こんなオヤジなら父親の存在も絶対に必要です。(もしかしたら裏では"キレまくり"オヤジなのかもしれませんけれど)

ただ料理は下手。母が不在で急に料理を作る事になりハムエッグを作ろうとしたのでしょうか。ハムではなく溶けないチーズだったのか見た目は散々。元登山家との設定ですが、山男は意外に料理が上手な人が多いんですけどねぇ...

■2人の子役がいい味を

主人公麟太郎の少年時代を演じた外川燎君と牧純矢君。再婚に姉が反発して家庭の空気が最悪。そんな空気を救ったのが幼い麟太郎。外川燎君の笑顔や仕草が最高でした。12歳になった麟太郎を演じた牧純矢君。まずは見た目が本当に美少年。家を出ていくシュンに「嘘つき! 山を教えてくれると約束したじゃないか」とのセリフが素晴らしい。

一方でお姉さん。シュンや新しい母親とも心を通わせるようになったはずなのに。葬式の場で秘密を告白した母親に対して、またボロクソに言います。私はちょっと引いてしまいました。

これが父が作った「最初の晩餐」でした。
(下にあるのはハムではなくて溶けないチーズ...)
どんな料理でも喜んで食べる7歳の麟太郎。
(こんな子がいると家が明るくなります)


シュン(左)は自閉症気味の高校生だった。
麟太郎は「シュン兄」といって近づく。
焼芋の落葉の中にライターを入れたら爆発。
2人は大笑い。シュンが笑顔を見せたのは初めて...


12歳になった麟太郎。イケメンに成長。
(牧純矢君の実年齢は少し上のようです。)
父と麟太郎。まだ反抗期もなく、いい関係でした。
(最初は大西利空君か、長舞蝮君に見えました。)


父は登山と写真が趣味。写真を見せて貰った。
これがきっかけで麟太郎は写真家の道に進んだ。
シュン兄が家を出て行くと言った。
捨てられたような目でシュンを見る麟太郎。



※後記
シュンがなぜ家を出ていったか。それは窪塚洋介さん演じる大人になったシュンが話してくれます。ここでは書きません。ところで青年時代のシュンを演じた楽駆さん。誰かに似ていると思ったら、往年の特撮名優の岸田森さん。知ってます?結構早くに亡くなられたのが残念。もう一人よく似ていると思ったのは、ほん呪などの岩澤宏樹さん。ちょっとマニアックですかねぇ...





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