シルク (2007年)

作品総合評価 B-
少年の出番 10分未満
寸評 日本人少年だって美しいのです。
【少年映画でない理由】出番過少
映画情報など 2008年公開。DVD発売中。
写真は本郷奏多君。


日本、カナダ、イタリア合作映画で監督やスタッフは外国人ですが、ここでは日本映画として扱います。基本的にはラブストーリー。でも西欧人からみた日本の風習や女性が興味深く描かれています。本作で主人公を魅惑する美女を演じた芦名星さん。残念ですが、2020年にお亡くなりになられました。

映画の解説や他の方のレビューを拝見しても少年要素は殆ど無いのですが、当時中学生だった本郷奏多君が、日本人代表?の美少年として登場。公開当時は映画館で鑑賞しましたが、出番も少なかったのでDVDは買わず、そのまま忘れてしまっていた作品でした。今回はWOWOWで鑑賞。

エルヴェが最初にやってきた時。村人は不安と好奇の目で彼を見つめる。左は本郷奏多演じる少年。

フランスの青年エルヴェ(マイケル・ピット)は良質の蚕の卵を求めて日本へやってきた。東北の雪深い村で村長(役所広司)の支援を受けて卵を入手。その時、村長の妻(芦名星)に一目惚れ。未練を残しつつフランスへ戻った。しかしまた災害で蚕は全滅。翌年また日本を訪れて卵を入手。そして村長の妻と関係を持ち、恋文まで貰って帰国。

さらに翌年、3度目の日本訪問。しかし幕末の動乱で村は廃墟になっていた。残っていた少年(本郷奏多)に村長たちの避難先へ案内して貰う。しかし村長は人格が変わっており、エルヴェを追い返す。案内した少年は殺された。仕方なく帰国。養蚕は断念する。そこへまた手紙が届く...


マイケル・ピット演じる主人公は美人の妻がいながら、日本の神秘的な女性(それも人妻!)の事が忘れられない。終盤は主人公と妻との純愛物語になるのですが、ここは少年映画サイトですので省略します。

本郷奏多君の役は、名前も無いただの少年(♪今日から僕はただの男...)。エルヴェが1回目に来た時、少年は村長の命令でエルヴェをある家に案内する役。2回目に来た時は、エルヴェが村長の妻を探していると、少年は温泉で入浴中の彼女のもとへ、こっそりと連れて行きます。まるで美人局(つつもたせ)みたいに。

3回目に来た時は悲劇。村長は、自分の妻とエルヴェの不倫を少年が仲介しているのを知っていたのでしょう。少年が村長のところに来た。それだけで不倫仲介の罪で殺害して木に吊るしてしまった。

エルヴェは少年にも優しいのです。一緒に馬に乗り、別れる時には大事にしていた望遠鏡を少年にプレゼント。少年も西洋人男性に憧れがあるのか、はにかみながらお辞儀をします。数分も無いこのシーン。西洋人にとって日本人少年も魅惑的に感じてくれたのでしょうか...


エルヴェを部屋に案内する少年。本郷少年の目の強さはマイケル・ピットさんにも負けず。

3回目の訪問時。廃墟の中に残っていたのは少年だけ。

村長や村人の避難先へエルヴェを案内する。馬上の二人は絵になります。

ここでお別れします。本郷君の髪型と頭の形がよく似合っています。

待って。エルヴェに呼び止められた。大切な望遠鏡を貰ってはにかむ少年。
(欧米映画ならば、絶対ここで少年をハグするのに...さらっとお別れ)

衝撃。少年は木に吊るされていた。それを見たエルヴェは嘆き悲しむ。


※後記
色々なところで書かれていましたが、幕末とはいえ、東北の寒村に過ぎない村の村長がどうして流暢な英語を話せるのか、気にはなりました。あまり深く考えても仕方ありませんけれど。





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