人魚の眠る家 (2018年)

作品総合評価 B+
少年の出番 冒頭とラストの4分足らず。
寸評 子供の脳死問題。心臓は生き続けるのか。
【少年映画でない理由】出番過少。
映画情報など 2018年公開。BD/DVD発売中。
写真は荒木飛羽君。


WOWOWで放送されたものを何気なく視聴。冒頭とラストに登場する荒木飛羽君が印象的。たった4分のMVのようですが、これだけでもしっかりストーリーが想像できます。

本編の内容は私にとってかなり厳しい作品でした。脳死になった娘。狂気に陥る母親。刃物を振り回す修羅場。俳優さんの熱演で評価は高いのですが、私は冒頭とラストの4分だけで十分でした。

心臓移植が終わって退院した日。少年はどうして行きたいとこがあった。

ある夫婦の娘がプールで溺れて脳死状態になった。両親は離婚を決めていたが看病のために延期。父は自分の経営するテクノ系企業の研究者に、娘の神経を制御させた。娘はまるで生きているように手足を動かすが、脳死は変わらない。母は娘を生きていると信じ込み、次第に狂気を増していく。

父と研究者の行為は倫理に違反するとの批判が増し、父は脳死と臓器移植を認めるが、母は取り乱して刃物を振り回す。だが最後は死を認める。娘の心臓移植を受けた少年(荒木飛羽)が、娘の家を訪ねるところで映画は終る。


映画冒頭。遊んでいたボールがあるお屋敷に飛び込む。一人の少年がお屋敷に入ってボールを拾う。そのまま何かに魅入られるように庭を進む。一人の少女が車椅子で眠っている。秘密の花園のような世界。この少女は人魚なのだろうか。

映画ラスト。長い入院生活から退院した少年。そのままあのお屋敷へ走っていく。しかしお屋敷は更地になっていた。少年は胸を押さえる。あの人魚のような少女の心臓。それは今、自分の胸で生き続けているのだ。

元気だった少年が心臓病になり、移植手術を受けて退院する。この期間はどれくらいなのでしょう。私の印象ではもっと長い期間がかかるような印象でしたが、荒木飛羽君が演ずる少年は少し早すぎるような感じ。衣装も殆ど同じですやん。そんな野暮な事を言っても仕方ありません。

脳死になった娘さんの弟役として斎藤汰鷹君も出演し、涙を誘う熱演でしたが、本作ではあまり取り上げません。斎藤君の作品は、今後『梅切らぬバカ』とか『ツユクサ』でしっかり取り上げる予定です。

ボールがあるお屋敷の中に飛び込んだ。
古いけれど大きな門。ちょっと怖い?
ボールはすぐ見つかったが、少年は庭の中を進む。
そこには車椅子で眠る少女がいた。まるで人魚のように。


長い入院生活から退院した日。
服を着替え、すぐに外へ出ようとする。
母。どこへ行くの? まだ動いちゃだめでしょ。
行きたい所があるんだ。少年は笑って。


少女がいたお屋敷は無かった。
でも僕の胸に彼女の鼓動が聞こえる...
おまけ。本作のベストショット。
(美少年ですなぁ)



※後記
荒木飛羽君は色々な作品に少年俳優として出演していますが、残念ながら主役に絡むような作品は無かったように思います。でも高校生になって、ますますイケメン。そろそろブレイクしそうな予感が。(2022年8月記)





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼第5部トップへ戻る